::Call by the first name. 1
キリバン【33333】をとっていただいたもう一人の方、makomama様のリクエストにお応えして書かせて頂きます。

今回makomama様、とっても詳細にリクエストをして下さいまして、そのリクエストはもう既にひとつの作品のあらすじのようになっていました(笑)
makomama様、本当にありがとうございました(*^_^*)

端的に言わせていただくと、今回のリクエストは「病院で入江君に嫉妬する琴子。またはその反対。もしくはその両方」です(^m^)makomama様ったら、欲張りさんですww!!

と言う訳で、あれこれ話を考えたのですが、どうもこのお話、今まで私が書いてきた「スキマ」とは違う感じがします。
パラレルとまでは言いませんが、IF~的なイリコトのお話になるかと…。

初めてチャレンジする分野なので不安要素が多く、ほぼ書きあげてからUPさせて下さいとmakomama様にはお願いしたのですが…。多分そうすると私の怠け者精神が災いして全く頭が働かない事に漸く気が付きました(>_<;

という事で、なんとなーくですが頭の中に話が組み立ってきましたので、少しずつUPを開始したいと思います。
今まで以上に不安定な進捗になると思いますが、どうぞよろしくお願いいたしますm(__)m


それでは、続きからお願いします♪


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・




昼下がりの入江家。リビングには、その日琴子と同じく非番だった幹が遊びに来ていた。

「わぁ モトちゃん、どれもすっごく美味しそう!」

コーヒーを淹れる準備をしながら、手土産にと幹が持参したケーキの箱を開いた琴子が歓声を上げる。
箱の中にはやや小ぶりの上品なケーキが数種類ずつ入っていた。

「うふふ、実際に美味しいのよ♪それに、ここのケーキはカロリー抑えめに作られているの。だから最近食べすぎのアンタが食べてもオッケーよ」

幹の言葉に、どのケーキを選ぼうかと食指が動いていた琴子の手がぴたりと止まる。

「えっ…!と、いうことは……モ、モトちゃん、それってもしかして……あたしが最近太った、ってこと……!?」

琴子の慌て振りに幹はニヤリと笑みを浮かべると、

「そうねぇ…。確かにアタシたちの仕事って体力的にも精神的にもハードだから、つい食欲に走ってしまいがちよね…。でも、食べたいだけ食べていたら、そのうちここが大変な事になるわよ~」
と言って幹は軽く琴子の腹を叩いた。

「ぎゃっ う、うそ、…で、出てる?」
お腹を隠す様にしながら琴子は泣き縋るように幹を見つめる。すると幹のイタズラ心は更に増幅して、

「知らないわよぉ~、このままばかすか食べてぶくぶく太って、すっかり緩んだお腹にでもなったら…、入江先生に幻滅されたりして、ね~?」
と琴子に追い打ちをかけるのであった。


実際のところは、今の段階で琴子の腹が出ているという事は無い。


ただ幹は、夜勤中に間食を多く口にしがちな琴子への戒めの為に言ったのであった。しかし、そうとは気付かない琴子は一人赤くなったり青くなったりして動揺している。

「も、モトちゃん、せっかく買って来てもらったけど…私、やめとくよっ」
琴子はそう言って幹の分だけケーキを用意すると、苦渋の決断を下すような表情で箱に蓋をした。
このままでは一体何のためにケーキを買ってきたのかわからない。呆れ顔で幹は琴子から箱を奪うとひとつケーキを取り出した。

「やだもう、ちょっとしたジョークじゃない。嘘よ。大丈夫、太ってなんかいないわよ。それにまだ昼過ぎなんだから、この後ちゃんとカロリー調整したら問題ないわ」

そう声を掛けて琴子を落ち着かせようとするが、すっかり良からぬ妄想に嵌っている琴子の耳に、幹の言葉は届かない。

「ど、どうしようモトちゃん…!も、もし入江くんに幻滅されたりでもしたらあたし…、あたし…~~~っ!!」

太った自分とそれに愛想をつかして離れて行く直樹を妄想してすっかり正気を失っている琴子は、幹に詰め寄ると、襟元をぎゅうっと掴んで喚き立てる。

「ぐ、ぐるじいわ、と、どぎかぐ離じなざい琴子……!!」
ゲホッと、幹がむせたその時――


「… おれが、何に幻滅だ?」 
呆れたような声音がリビングの扉の方から聞こえた。


「ひっ……!い、入江くん…っ」
「い、入江先生~~…!」

琴子と幹の声が重なる。
そこには、夜勤明けにしては遅い時刻に帰宅した直樹が眉を顰めて立っていた。―――。



* * * * *



「今日は急患が多かったの?」
直樹用にコーヒーを淹れ直し、それを手渡しながら琴子が尋ねる。今日の直樹の帰宅は、夜勤明けにしては遅い時刻だった。

「いや、そうでもなかったんだけど。ただ、交代直前に入った急患の処置で遅くなったんだ」
直樹は受け取ったコーヒーを口にし、疲労を感じる首から肩にかけてを解しながら返事をする。

「そうだったんだ。お疲れ様」」
「本当に。お疲れさまでした、入江先生」
琴子と幹の口から労いの言葉が重なる。

「ところで、どんな急患だったんですか?」 幹が尋ねる。

「火傷だよ。キッチンで使っていたガスコンロの火が服に引火したらしい。周りに人が居て直ぐに消火してくれたのが不幸中の幸いだったな。とはいえ暫く入院しないといけないだろうけど」

「わぁ……」 琴子と幹は想像して声を漏らした。

「男の人?」

「いや、女の子。たしか、17歳か18歳」

「そっか…。ショックだっただろうね」ぽつりと琴子が言う。

「ああ、今日もずっと興奮状態だったから鎮静剤を打った。明日、休みだけど出勤して改めて症状を説明するつもりだ」

「うん…。落ち着いてくれているといいね……」

琴子と幹は顔を見合わせて頷きあった。



「…ところでこれ、桔梗が持って来てくれたの?」

話題を変えるように直樹がテーブルの上のケーキを指さす。

「あ、はい。甘さも控え目なんで、入江先生のお口にも合うと思います」

「へぇ…じゃ、おれも頂こうかな、ちょっと疲れたし。いいか?桔梗」
そう言って直樹は幹に微笑む。

「ええ、も、勿論……!!」
蕩けるような直樹の笑顔に、幹の声は上擦った。

「い、入江くん、自分からケーキ食べるって言い出すなんて、珍しいよね…?」
琴子は怪訝そうに直樹を見る。そんな琴子を直樹はニヤリと見返した。

「ああ、お前は食わねーの?」

「…え?あ、あの…、私は今日は遠慮しとこうかな~、なんて思っててね…?」
引き攣った笑いを浮かべる琴子に、直樹は追い打ちをかける。

「せっかく桔梗が持って来てくれたのに…、断るとか言わないよな?それともなんか、理由でもあるの?」

「うっ な、何もないです…」

項垂れる琴子を見て直樹はクックと笑うと、「ま、夜勤のお菓子はたいがいにしとけよな」と釘をさしたのだった。




「ごちそうさま~。うーん、美味しかった!」
しっかりと食べ終え、満足気に笑う琴子に幹は「それは良かったわ」と微笑む。そして、

「そうそう、今日ね、ここに来るまでに買ったんだけど」 
と言って幹は一冊のファッション雑誌を取り出した。

「これ、いつもモトちゃんが買ってる雑誌じゃないよね?なんかもっと若い子向け…?」
その表紙を眺めながら琴子が言う。

幹が手にしているのは確かに、10代後半から20代前半をターゲットにした女性ファッション誌だった。幹の好みと比べると少々子供っぽい。琴子が不思議に思うのは妥当であった。

「そうね、アタシにはちょっと合わないわ。実は読みたい記事があったから買ったの。それを見たらこれはアンタにあげる。ほら、ここを見てちょうだいよ」
そう言って幹はページを開くと目次を指さした。


「― あっ ノンちゃんだ!ノンちゃん、ノンちゃんが出てるよ、入江くん!」
 
「― ああ、ほんとだな」  直樹もそれを覗きこむ。

琴子と幹は嬉々としてページを繰る。そこには、直樹の執刀の元、腎臓の手術が成功して芸能界に復帰したノブヒロが颯爽とポージングをとっていた。

「良かったねぇ、ノンちゃん。回復して、やりたい事、思いっきりできるようになって」
琴子は幸せそうに笑う。

「そうよねぇ。はじめて病院に来た時より、ずっとイイ顔してる」 
そう言って幹も微笑んだ。


パラパラとページを捲ったところで、幹と琴子は顔を赤らめた。

「わぁ…。まだ17歳だっていうのに……。なんだかすっごく色っぽいわね――」
幹がため息交じりに呟く。そこには、若いながらも凛としたある美しさの女性モデルとのセミヌードショットを披露しているノブヒロが載っていた。

「/// お、お仕事とはいえ、スゴイわよね…。なんだかイケナイもの見ちゃった感じだわ…/// そ、それにこの女の人も、なんだかすごく綺麗…。――って、あっ…!!」

幹と2人盛り上がって見ていた琴子だったが、ふと我に返って直樹の方を振り向いた。直樹は一緒にその紙面を見ていて、そして何故か驚いた表情をしていた。

「い、入江くんっ… なに、もしかしてこの女の人、好み、とか……!?」
「ま、まさか…!?」

琴子と幹は直樹を見つめた。直樹は間違いなく、ノブヒロではなくその女モデルを凝視していた。


「入江くん、この女の人がどうかしたの…?」

琴子の不安げな声に我に返った直樹は、ふぅと息を吐き出しながら答えた。

「ああ、この子… さっき言った熱傷で急患で病院に運ばれてきた子なんだよ―――」


「「え、…え~~~~っ!?」」

琴子と幹の驚き声が重なった――。



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::拍手コメントありがとうございます
繭様

再びこんばんは!
そうなんです~。久々にオリジナルキャラを出す事に・・・。楽しみと言って頂けると本当に励みになります。ありがとうございます(*^_^*)
「琴子ってそんなにナイスバディじゃない」・・・はは、そうですよね。なのでせめて腹肉くらいは付かないように・・・とか思っているのかもしれません(^_^;)(琴子ちゃんファンの皆様ごめんなさい!)
そうか、直樹があのタイミングで声をかけたのはモトちゃんへの牽制だったのか・・・!モトちゃん、首絞められるは言われの無い牽制はされるはで少し可哀想になってしまいました(笑)

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