::Call by the first name. 3
キリバン【33333】をとってくださった、makomama様のリクエストにお応えして書かせて頂いています。

※すみません、UPの際、手違いで一部話が抜けた状態で公開してしまいました。
8日深夜1時15分~25分頃閲覧された方、申し訳ありませんでした(>_<)
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「まさか、また琴子が芸能人の担当はねー。しかも事務所側の強い要望?世の中分からないものだわ」
幹は半ば呆れながら琴子を眺める。

「でもどんな理由であれありがたいことよね、ご指名なんて!あたし、きっと上手くやれると思うの。」

幹の訝しげな視線をものともせず、琴子はうっとりと目を瞑り不敵な笑みを浮かべている。どうやら患者に感謝される優秀な看護師の自分を妄想しているらしい。

「少なくとも看護師の技術を買われて選ばれたのではないはずだけれど」

今朝の申し送りで、琴子は担当に選ばれた事に全く驚かなかった。つまり、直樹から事前に聞いていたのだろう。ただ、理由に関してまでは説明しなかったようだ。幹にはその理由が気になって仕方が無いが、今の琴子に何を聞いても無駄だろうと諦める。

「ねーモトちゃん。なんて呼んだらいいのかなぁ?美月さん・・・は芸名だし、真琴ちゃんじゃ馴れ馴れしすぎ?やっぱり名字かなぁ。でもこの名字、なんだか呼び辛いなぁ――」

「さぁね、本人に聞けばいいじゃない。ほら、いつまでにやけてるの。さっさと準備――」

顔が緩みっぱなしの琴子を促そうとしたその時、琴子の背後に眉を吊り上げた清水主任の姿が目に映って幹は押し黙る。

「― 入江さん、い・つ・ま・で・そうしているんですか!?早く朝の回診の準備して!!」

「― はっ、はい!すみません~~!!」

主任の雷が落ち、琴子は我に返るとあたふた準備を整え医局へ走って行った。
その姿を見送りながら、幹はまた後で琴子を捕まえて話を聞こうと心に決めたのだった。




「― ということは・・・、だいたい2週間から3週間ほどで退院は出来るんですね。火傷の傷もほぼ完治すると・・・」

「ええ。真皮まで熱傷が及んでいるかと思いましたが大丈夫でした。今回のような事例でここまでで済んだのは不幸中の幸いだと思います。ただ大切なのは今後のケアです。それによっては跡が残ってしまう事もありますから、初期治療は重要です。しっかり治療していきましょう」

朝の回診で改めて真琴を診察した結果、どうやら皮膚移植の心配は無いと判断した直樹は、真琴を含めた関係者に分かりやすく彼女の火傷の症状と今後の治療方針を説明をする。

直樹の言葉に、そこに居た関係者全員は漸く安堵の表情を浮かべた。


「ところで先生、先程『不幸中の幸い』と仰いましたが・・・・、本来ならばもっと酷くてもおかしくなかった、ということでしょうか?」

マネジャーの質問に直樹は頷く。

「そうですね。応急処置が非常に良かったからこの程度で済んだと思います。服が燃えたりすると、慌てて脱がせようとしがちなんですが、そのままで、適切な時間水で冷やしてありました。この時間が短すぎると応急処置になりませんし、長すぎると低体温症になりますから、きちんと対応できる方がいて良かったと思います」

「良かったな、美月ちゃん。彼のお陰だな。これから大変だろうが、頑張って治そうな」

「はい。すみません、ご迷惑をおかけします。これからまだまだプロモーションのお仕事も入っていたのに・・・」
監督の言葉に、ベッドに横たわって話を聞いていた真琴が上体を少し起こしてぺこりと頭を下げる。

「ほらほら、無理しちゃダメだよ。 大丈夫。そこはほら・・・ここに居るノブヒロが美月ちゃんの分も働いてくれるから。なぁ、ノブヒロ?」

「うわぁ 監督、これ以上人遣い荒いと今度は僕が過労で倒れますよー?」

ノブヒロの言葉に周りの者が皆声を立てて笑った。

「でも、ノブヒロがいい先生を知っていて本当に助かったわ」

マネジャーの言葉にノブヒロはふっと笑う。

「まぁね。なにせ入江先生は僕の恩人だから。凄く優秀で頼りになる先生だよ。それから一緒にいる看護師の琴子さんにも、色々世話になった」

「ノンちゃんったら…」
琴子は感極まって喉をつまらせる。直樹も静かに微笑した。

今回救急で真琴が運ばれる際、斗南病院に搬送できるかと隊員に働きかけたのは、映画の共演者であり彼女と同じ芸能事務所に所属しているノブヒロだった。そして、担当を直樹と琴子にと事務所に提案したのも彼である。

「どうぞこれから美月を宜しくお願いします」

「あっ いえ、そんな!」
深々と礼をするマネジャーに、琴子は慌てて頭をさげる。

「あ、改めまして、これから美月さん…いえ、結城真琴さんの担当をさせて頂く、入江琴子と申します。こちらこそ宜しくおねがいします!」

「まぁ、先生と同じ名字ですか。するともしやお二人は――」

「はい、琴子は私の妻です」

「入江くん… あ、あの、そうなんです。私、この優秀な入江先生の妻なんです…!」

直樹の言葉に、琴子は誇らしげに少し胸を張る。

「琴子さんはドジナースだけどね」

「ノンちゃん!!」

「そう言われたくなけりゃ、血圧くらいまともに計れ」

「うっ だ、だって間近でモデルさんなんて見たら緊張しちゃって・・・」

しどろもどろに弁解する琴子に、皆おかしそうに笑った。




「ところで…アイツは一体何をしているんだ?今回一番役にたった奴なのに、なかなか現れないじゃないか」

「ええ、今朝はどうしても外せない撮影があるとかで。終わり次第すぐ駆けつけると言っていたのですが・・・」

監督の言葉にマネジャーが答える。と、そこにノックする音がして、すぐに扉が開いた。

「すみません、遅くなりました――!」

そこには直樹やノブヒロと同じくらい背丈のある、端正な顔つきの青年が立っていた。

「おー、お疲れ。ちょうど君の話をしていた所だったんだよ。撮影は順調だった?」

「ええ、お陰さまで。何ですか、僕、噂されてたんですか?」

彼は会釈しながら中へと足を進め、真琴の前で立ち止まった。

「どうだ、真琴。痛いか?」

「ん・・・、大丈夫」

真琴が彼を見上げて小さな声で返事をする。 良かった、と言うと彼は直樹に向き直り頭を下げ言った。

「この度は妹がお世話になります。宜しくお願いします」

「こちらこそ。昨日も少しお会いしましましたが改めまして、担当医の入江です、宜しくお願いします」

「はじめまして。担当看護師の入江です、よろしくお願いします。ところであの・・・、今、真琴さんの事妹って言いましたよね?・・・・ってことはあなたは真琴さんのお兄さん・・・・ですか?」

「ええ」

驚きを隠しきれないといったようすの琴子に、彼はふっと笑うと真琴に少し視線を送り、そして直樹と琴子を見た。

「はじめまして・・・って言うはちょっと違う気がするな。先生には昨日挨拶しているし。でも看護師さんもいるから改めて自己紹介しますね。おれ、真琴の兄の結城 誠と申します」

そう言って頭を下げる。

「ま、まこと…?え、え…?お兄さんも、マコトって言う名前なの――?」

琴子は思わず大きな声をあげ2人の『マコト』を見比べる。直樹も驚いた表情で誠を見た。

誠はクスリと笑うと、

「ややこしいですよね、兄妹で同じ名前なんて。なぁ、真琴――?」と答えた。





朝の連続テレビ小説並み(以下?)の細切れ進行ですみません(>_<;
いつもはなんとか1話か2話で終わらせる為に長文が多いのですが、今回はいっぱい息継ぎさせて頂く事になると思います・・・。

前回コメント下さった方、ありがとうございます。申し訳ないですが、お返事少しお待ち下さいね。



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::拍手コメントありがとうございました
繭様

こんにちは。お返事が遅くなって申し訳ありません(>_<)
そうなんです~、登場人物増えましたよね。でも、これ以上は多分増えませんよ!(私が操れなくなるから(苦笑))この人物たちでなんとか色々掘り下げていけるよう頑張りますね(^^)
そして、4話で書きましたが、繭さんの予想された通り、2人のマコトは親の再婚で同じ名前になっています。『運命』という言葉も使いました♪
それでは引き続き、楽しみにして頂けるよう書いていきたいと思いますので、またお時間のある時に読んで下さいね。
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::コメントありがとうございます!
藤夏さんこんにちは♪

ありがとうございます~読んでいただきコメントも下さって!!
今回長丁場になりそうなんで、不安で押し潰されそうになってるんです;;
コメントいただけてどれだけ励まされたことかしれません~~

多田先生の書かれたマンガの小説版・・・、なんてありがたいお言葉でしょう。勿体無さ過ぎるお言葉ですがほんと不安(orz)になってる最中でしたので嬉しくて堪りません!

病院でのお話で、患者を絡ませて書くのって本当に難しいですよね。
虫垂炎、私も案としては上りました(笑)
でも、藤夏さんが書かれていたしと思って・・・^^;

というより、病院内で患者に嫉妬する入江くんってのがまさに『再会』じゃないですか!!> < ほんとヤバイです。頑張らないと・・・

それから、「火傷で外科」にもひそかに突っ込みいれてるんですよ、私(苦笑)
形成外科とか、皮膚科じゃないの~?と^^;
でも、原作でもクリスが外科に入院してたし、いっか♪と軽く流して書く事にしました(笑)

あとは、オリジナルキャラクター・・・。ははは、どうしよ~・・・
がんばりまーす!(このコメント文の中に何度『頑張る』を連発したんでしょうか、私ww)
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::拍手コメントありがとうございます
chan-BB様

こんにちは!
そうなんです、またまたオリジナルキャラクターです(笑)
でも、これ以上は出しませんよ!駒が多いと私、あやつれないですし^^;
少しずつの展開ながら、次回を楽しみにしていただけて嬉しいです。chan-BBさんにはご相談させていただいたから、読者の方の中では一番展開が予想できるのではないでしょうか(笑)?
ノンちゃんに原作を垣間見ていただけて良かった♪基本的には23巻のノンちゃんの入院から半年~1年後くらいの設定で書いています。
次回にマコトたちの素性を書くつもりです。また読んでくださいねww
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