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::Call by the first name. 4
キリバン【33333】をとってくださった、makomama様のリクエストにお応えして書かせて頂いています。

※ひそかにタイトル変えていたり…。すいません!!
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「なにが『妹』よ。同い年でしょ、あたしたち」

真琴がキッと誠を見上げる。が、誠が意に介す様子はまるでない。あやす様に真琴の頭をぽんぽんと撫でながら直樹と琴子に笑いかける。

「おれと真琴は親の再婚で兄妹になったんですよ」

「さ、再婚・・・。確かにそれなら同じ名前になる可能性もあるわよね。でも、それならどうして『妹』なの?」

当然の疑問を琴子は口に出す。

「ああ、それは真琴が4月バカ――」
「私、誕生日が4月1日なんです。で、そっちは4月2日」
真琴が誠の言葉を遮るようにして言った。

「ああ、成程ね。ちょうど1年差って訳か」 直樹は納得してふっと笑う。

「ええ。な、間違い無いだろ?おれのほうがほぼ常に年上なんだから」

「確かに理屈は分かるし、小さい頃なら1年の差は大きいと思うわ。でも18になったら1年なんて何の差もないじゃない。ってもう、こんな議論どうでもいいんだけどね」

真琴は最初こそ気まじめに反論したが、途中でどうでも良くなったように話を切り上げると大きく溜息を吐いた。


「・・・・。 ね、ねぇ入江くん、どういう事…?」
直樹とふたりのマコトが会話を続ける中、一人意味が分からずにいた琴子はそっと直樹の白衣を引っ張ると小声で尋ねた。

「なにお前、もしかして分かんねーの?」
直樹は口角を意地悪く引き上げると横目に琴子を見下ろした。

「だ、だって4月1日と2日生まれなんでしょ?一日違いなのにどうして同い年で1年の歳の差なの?」
直樹の挑発にまんまと引っ掛かった琴子は、大きな声で更に直樹に食ってかかる。

「…もしかして看護師さん、4月1日が早生まれになる事知らないとか…?」
琴子の声が聞こえた真琴が目を見開いて尋ねる。

「え?は、早生まれ?だって真琴ちゃん、4月1日生まれなんでしょ?」
琴子はキョトンとして真琴に聞き返した。


「琴子、学校教育法で小学校に入学する時の年齢の要件は『満6歳になった日の翌日以後における最初の学年の始めの日から』って定められているんだ」
直樹は琴子に説明する。

「つ、つまりどういう事?」

「満の考え方は出生日を起算日として考えるんだ。4月1日生まれの子どもの場合は、前日の3月31日の深夜12時を迎えた瞬間に年齢が1つ加算されることになる。つまり3月31日の満了で満6歳に達したと考えられ、満6歳になったその翌日の4月1日には入学出来る要件が整う事になる。だから4月1日生まれの子供は早生まれになるんだ」

「な、なんだか難しいのね。とにかく4月1日は早生まれになるってことよね。覚えておくわ」


「っぷ・・・」
「クックックック・・・」
「ハハハハハハ!」

そのやり取りをずっと静観していた周りは、とうとう吹き出した。

「…看護師さんってもっと賢いイメージだったけど……、意外と天然な人もいるんだ?」
誠に至っては腹を抱えて笑っていた。

「誠、天然なんて遠慮しなくていいよ。琴子さん、大学生の頃は小4の算数も分からない位だったんだから」
ノブヒロが笑気交じりの声で言う。

「ノンちゃん!!」

「クスッ 確かにノンちゃんの言うとおりだな」

顔を真っ赤にさせている琴子に向かって、直樹はニヤリと笑いかけた。





「と、とにかく!2人がどうして同じ名前なのかは分かったわ。でもそれって凄い偶然よね。運命って感じ?」
気を取り直した琴子はうっとりと2人を眺める。

「運命、ね…。まぁ確かに、真琴との再会はある意味偶然を超えて運命だったかもね」

「そうね、あの時は本当に驚いたわ」 
2人のマコトは顔を見合わせフッと笑う。

「再会……?」
琴子は首を傾げ直樹に目配せするが、直樹とてその理由が分かるはずもなく、肩を竦めた。

「琴子さんも直樹先生も芸能面には疎いからなぁ」
ノブヒロが直樹と琴子をみてニヤリとする。

「…?」
「どういう事?ノンちゃん」


「誠もモデルなんだよ。僕や美月と同じ事務所で、『YUKI』って名前で活動している」

「…へぇ」
「え、…ええ~~~~!?」
室内に大きな琴子の声が響き渡った。


「おい誠、お前、これからも自分の事何にも言わずにいるつもりだったのか?」

予想通りの反応に笑いを噛み殺しながらノブヒロが誠に尋ねる。


「フッ おれは2人と違って地味なモデルだから、ね……」
誠はそう言ってクスリと笑った。


*    *    *    *    *    *


「成程ねぇ…。美月の担当の件は、ノブヒロが琴子を担当にって頼んだからだったのね」

琴子から事の次第を聞き終えると、幹はポットで頼んだ紅茶を空になったティーカップに優雅に注ぎながら言った。

ここは斗南病院からそう遠くない場所にある幹行きつけのティールーム。席の間が広く取られている為、隣の会話は聞こえない。内緒の話をするにはうってつけの場所だ。勤務終了後、幹は有無を言わせず琴子を連れてここに来た。

「でも、病院側が琴子を担当にした本当の理由は別のところね」

「なんでそう思うの?」

不思議そうに尋ねる琴子に幹はやれやれと肩を竦めると立ち上がり、店に備え付けてあるブックスタンドから一冊の雑誌を抜き出した。そしてページを繰って琴子の前に広げる。

「これ見ても分からない?」

「―あ、誠だ。へ~、地味なモデルって言ってたけど、雑誌に出たりしてるんだね」

幹に促され覗き込んだ琴子は漸く合点する。開いたページにはノブヒロと並んでポージングをとる誠が写っていた。


「まったく、琴子ってば相変わらず疎いわね。そんなの謙遜でしかないわよ、YUKIは今この雑誌でノブヒロとツートップの人気を誇るモデルなんだから。さっき廊下で彼らが琴子たちと一緒に歩いているのを見た時はアタシ、腰を抜かすところだったわ」

幹はそう言ってほぅと溜息を漏らす。その光景を目の当たりにした時、いつもの無機質な病院の空間が突然発光したような感覚に幹は陥った。なにせそこにはノブヒロとYUKI、そして直樹までもが並んで歩いていたのである。

「うーん、そう言われても…何だかいまいちピンとこないのよね。確かに普通の人より存在感はある気がしたけど。でもあたしにはノンちゃんはノンちゃんでしかないし、誠の事も全く知らなかったしね。それにこんな年下くん達よりも、あたしには入江くんといる方がずっとドキドキしちゃうもん」

興奮冷めやまぬ幹の勢いに気圧されながら琴子は答える。

「はぁ…。琴子に熱弁をふるったアタシが間違っていたわ」
幹は再度手にしたティーカップを口に含んで喉の渇きを和らげるとともかく、と言ってカップをソーサーに置く。

「これから暫く、美月のお見舞いでYUKIが来院するとなれば、担当を巡ってまた詰所は戦争になるわ。だから一番関心の薄そうな琴子に白羽の矢が立ったのよ。まったく、アンタは呆れるほど入江先生にしか興味ないんだから」

幹は夕食時なのにパフェを頬張る琴子を呆れ見つめる。何故か琴子の周りにはイイ男がいつも無駄に集まる事になる――。

「ところで琴子、アンタ甘いもの控えるんじゃなかったの? 言っとくけどそれ、相当カロリー高いわよ」
幹はそう言ってわざと妖艶な笑顔を浮かべる。

「えっ!?あ、あたしったらまた…!も、モトちゃん、気付いてたならもっと早く言ってよ~」

「そんな事知らないわよ。まったく、昨日の今日で、美月みたいな完璧なスタイルの子を見ていたっていうのに、よくダイエットの事忘れられるわよね」
幹はため息交じりに呟く。


「だ、だって美味しそうだったんだもん」

「はいはい。ま、せいぜい夕食は控える事ね」

「う、うん、そうね…って、ああ~~~!!」

「シィ…!静かになさいっ。周りの人に迷惑よ!」
幹は慌てて琴子の口を押さえる。琴子の素っ頓狂な声はこの場所に全く似つかわしくない。

「大変、モトちゃん。あたし、直ぐ病院に戻らなきゃ!今日はおかあさん達、旅行に出掛けていて家にいないの。裕樹も友達と勉強するからご飯はいらないって…。だからあたし、入江くんとご飯食べる約束してるんだった」

「まっ…!それじゃ入江先生、もしかして病院で琴子のこと待ってるって事…?」
幹は慌てて時間を確かめる。時計は幹達が病院を出てから丁度1時間を経過していた。

「とにかく戻りましょっ!アタシからも謝るから」

「ううん、いいよ、大丈夫!あたし自分でちゃんと謝るから」

琴子と幹は急いで立ち上がると会計を済ませて店を出た。



「…そう言えば……さっき聞いて思い出したけど、入江さんの弟の名前も『ゆうき』だったわね。色々ややこしいわ。あ、もしかして、だから琴子ってば早々にYUKIを誠って呼んでたの?」

「う、うん。ゆうきって言うとどうしてもこっちの裕樹のイメージで…。アクセントもおかしくなっちゃって、そしたら『もう誠でいいよ』って…」

「ふぅん、それでか。で、美月の事はなんて呼ぶ事にしたの?」

「『真琴ちゃん』…」

「ぷっ!どっちに転んでもややこしいわね~」

「ふふ、そうなのよ~~」
幹と琴子は顔を見合わせて噴き出した。



「琴子ってさ、例えば啓太にしたってすぐに名前で呼び始めたのに、入江先生の事はいつまで経っても『入江くん』なのよねぇ。入江先生、何にも言わないわけ?」

「うん。特に今まで何も言われた事ないよ。出逢ってから何年もそう呼んでたから、何も思ってないんじゃないかな?」

「うーん…。そういうものかしらねぇ……」

「あ……」
とそこで、琴子がハタと歩みを止めた。そして次の瞬間、幹をおいてある方向へ走って行く。

「入江く~ん!!」
琴子が全速力で向かう先には、少し機嫌の悪そうな顔で琴子を見ている直樹の姿があった――。






お待たせしてすいません!(待ってくれていた方はいるのでしょうか…?(+_+))

色々書き直していたら随分時間がかかりました…。

起承転結で言えば承には差し掛かったと思うのですが。長々しないよう気を付けて書きたいと思います。
盛り上がるような展開が書けずに本当に申し訳ないです。あと何話か、お付き合い頂ければと思います。



スキマ未設定(長編)  コメント(3)  △ page top


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::コメントありがとうございます!
藤夏様

こんにちは♪
そうそう、そうなんです~!病院で琴子がイイ男担当になるのは、二次小説だけでなく原作からその理由なんですよね!
入江君の説明に琴子同様ツッコむ藤夏さんのお姿想像してキュンキュンしてました^^
そして、呼び方についても、若干ラストを言い当てられた感がありますが、もともとネタバレしている気がしますし(笑)、どうぞこれからも暖かく見守ってくださいね♪

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::拍手コメントありがとうございます!
繭様

こんにちは♪
話の端々からいろいろご想像いただいてるみたいで嬉しいです。のろのろ展開ですが、今回はタイトルへの伏線を張らせていただきました(^-^)こういう時、モトちゃんのキャラは重宝します(笑)
琴子の周りにいい男が集まるのは何故でしょうね?私の場合は勝手な書き手の都合やら好みだったりしますが^^:)
今日の夕方4時にこの話の時間軸を少しずらした直樹目線を予約投稿しています。またお時間のあるときに読んでいただければと思います。

chan-BB様

こんにちは♪
すごくありがたいお言葉ありがとうございますww
オリジナルキャラクターを出すにあたってその人物像を私なりに模索した結果色々な妄想が広がって、まずい、イリコトの話なのに!と軌道修正しながらなんとか書いています(苦笑)
話の行く末、もうご想像の通りだと思いますよ。多分読んでくださっている方殆どが展開に気付いているはず^m^; 暖かく見守っていただけると嬉しいです♪
そして、うふふ~、いい感じです携帯!!前の携帯は2年強使っていましたからホントに全然画質が違います!そしてカメラの画質も素晴らしい☆でも機械音痴なんで操作に慣れるまで少し時間がかかりそうです^^;)
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