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::Call by the first name. 6
キリバン【33333】をとってくださった、makomama様のリクエストにお応えして書かせて頂いています。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

―数日後。


「真琴ちゃん、ご飯食べ終わった~?」

「あ…琴子さん。うん、食べたよ」

琴子が病室のドアを開けると、振り返ってこちらを見た真琴はパジャマを着替えている最中だった。
火傷した脇腹にはまだ痛々しく包帯が巻かれているが、その巻かれた包帯がウエストのくびれを強調し、彼女のスタイルの良さを改めて感じさせる。

「ご、ごめん!///」

琴子は慌ててドアと閉じようとしたが、真琴がクスクスと笑いながら内側からそれを開く。

「琴子さんったら、なに今さらそんな反応しているの?いつも診察で見てるでしょ?」

「で、でもそれとは違うよ!だって、今は不意打ちじゃない・・・!?」

「ちょっと暑いから半袖に着替えようかと思って。琴子さんったら可笑しい。そんな慌てなくても」

「慌てるよ!だって真琴ちゃん、モデルさんだけあってスタイル良すぎるんだもんっ」

トレーを回収しながら琴子は早口で言い訳をする。

「フフ、それって褒め言葉だよね?あのね、あたし、この仕事始めてから着替えとか見られても気にならなくなっちゃったんだよね。これってまずい?一種の職業病かなぁ?」

そう言って真琴は悪戯っぽく笑う。

「確かに。真琴ちゃんがそんなに堂々としてて、あたしが恥ずかしがってるって、これじゃ立場が逆だよね」

琴子もつられてクスリと笑った。


「今日は入江先生お休みなの。代わりに西垣先生が午後に回診に来るから、それまでに清拭すませちゃおう。用意するからちょっと待っててね」

琴子はそう言って、トレーを手に一度部屋を後にした。





「そっか、今日は直樹先生お休みなんだ。あたしが入院してから先生がお休みなのってはじめてだよね」

真琴はベッドに座ると、着替えたばかりのTシャツを脱いだ。琴子は用意した湯桶にタオルを浸す。

「…っつ!」
清拭用に用意する湯は素手で絞るには熱めに用意されている。琴子は思わず声を漏らした。

「…大丈夫?」

「あ、ヘイキヘイキ!ごめんね。じゃ、まず首もとからね」

琴子はタオルを真琴に滑らせた。


「―この時期にシャワー浴びれないってやっぱりきついね。包帯の下なんて凄く痒いよ」

真琴が目を閉じながら呟く。

「患部が上皮化(※皮膚が再生すること)するまではね。痒くても我慢だよ?綺麗な肌に戻るまで、ね?」

琴子は優しく真琴を励ます。真琴は静かに頷いた。


「―よし、オッケー。すっきりした?」

「うん。ありがとう、琴子さん。ふふ、また着替えなきゃ」

琴子の声で目を開いた真琴はにっこり微笑むと、新しい着替えを取り出すために立ち上がった。


「…琴子さん?どうしたの?」

視線を感じた真琴は不思議そうに振り返って琴子を見る。琴子はハッとしたように立ち上がると顔を真っ赤にしながら手をぶんぶんと横に振った。

「ご、ごめん!その…、見惚れちゃって///あの、あのね…?真琴ちゃんってその…褒められるでしょ?女の人にも、男の人にも…////」

「………ぷっ」
慌てふためいて言葉を重ねる琴子をじぃっと見ていた真琴はついに吹き出した。

「琴子さん、ひょっとしてHの時直樹先生に何か言われたの?」

「///え!?べべ別に何も!!ってそれよりも…え、H///!?」

企んだ笑みを浮かべる真琴に、琴子は仰け反って赤面する。
真琴は構う事なく「でしょうね」と言いながら、琴子に近付きそっと耳打ちした。

「―だって、琴子さん、胸のあたりに跡がいっぱい」

「///!!!!!」

「清拭の時に服の隙間から見えちゃった。いいなぁ、琴子さん。あたしもお願いしたいなぁ…」

「え、ま、まさか…?」
琴子は恐る恐る真琴を見つめる。真琴はそれに気付くと、

「やだ、琴子さんったら本気にした?直樹先生ってかっこいいし言ってみただけ、ただの一般論よ!冗談だから気にしないでね」

「な、なんだ、冗談か…」

琴子はほっと胸をなでおろした。


* * * * * * * * * * * * * * * * * * * * *


「―うん、少しずつだけど傷がピンク色になってきているね。これは新しい皮膚だからつまり上皮化のサインだよ。このまま湿潤療法を継続していこう。琴子ちゃん、ティエール(※創傷被覆材の商品名)」

「はい」
西垣は受け取ると患部に貼り、手際良く再び包帯を巻きあげた。

「―よし、終わったよ。じゃあね、美月ちゃん。入江から担当替えてほしくなったらいつでも言ってね」

西垣はにっこり笑って部屋を出て行った。


「まったく、腕は良いけどほんと軽いんだから!入江くんはさらに腕が良くてクール、だけど誠実だから替えてほしいなんて思う訳ないじゃない。ね、真琴ちゃん!?」

西垣の出て行ったドアを軽く睨みながら琴子は悪態を吐く。真琴はその様子をしみじみと見つめた。


「…ほんとに大好きなんだねー、琴子さん」

「え、何…?」

「―直樹先生の事」

視線をこちらに戻した琴子に向かって真琴は淡々と答えた。

「琴子さんって直樹先生の事となると、いつも『好き好きオーラ』出してるじゃない?確か、新婚って訳でもないよね。いつからそんななの?」

「す、好き好きオーラって…。で、でもまぁそう言われてみればそうかも。え、えっと出逢ったときからだから…かれこれ10年位こんな感じかな?」

琴子は指折り数える。

「それっていつ?」

「15歳。高校の入学式で一目惚れしたから」

「15歳―――」

「あ、そう言えば真琴ちゃんと誠が出逢ったのも15歳だったよね?お互い美男美女なのに、一目惚れとか無かったんだねぇ」

「―しないわよ、そんなもの。あいつとあたしは…兄妹なんだから……」

「真琴ちゃん…?」

真琴は俯いていて、その表情を推し量る事は出来ない。しかしその言葉は不思議な響きを持って聞こえ、琴子はまじまじと彼女を見つめた。

「…あいつ、今日も来るって?」

すっと顔を上げた真琴が尋ねる。その表情はいつもと変わらぬ綺麗な笑顔だった。

「誠のこと、だよね…?うん、さっき詰所に電話が入ったよ。今日は面会時間ぎりぎりになると思うって」

琴子はその笑顔に安心して、誠のメッセージを伝える。

「もう、そんな毎日来なくてもいいのに。琴子さん、いつもごめんなさい。大変だよね?」

「平気よ!ノンちゃんが入院した時にすっかり鍛えられたから」

申し訳なさそうな顔で謝る真琴に、琴子は笑ってピースサインを作った。


* * * * * * * * * * * * * * * * * * * * *



病室の中にいる真琴にも、その騒々しさは十分に耳に入ってくる。

「YUKI~!!」という黄色い歓声のなか、「道を開けて下さい!!」と声を張り上げる琴子の声。それは真琴が入院してから日常化されている斗南病院入院病棟での一幕である。
遠くから聞こえていたその声がドアのすぐ向こうで聞こえるような近付いた時、ぱっと扉が開いた。

「どうだ真琴、治ったか!?」

「なに言ってるのよ、そんな簡単に治る訳が無いでしょ!」

その低く響く声に真琴は振り返りながら言い返す。が、その瞬間目を丸くした。

「なにその荷物…。なんでわざわざここまで持って来ているのよ」

「そりゃこれは俺の大事な仕事道具だし?最近どこも物騒だし、車上あらしとかシャレになんねーからな」

そう言って誠は、悪びれる様子もなくガラガラとローリングケースを室内に入れた。

「真琴ちゃん、これが何か知ってるの?誠ってば、聞いてもちっとも教えてくれないんだよ?」

漸く誠のファンを追い払った琴子がドアを閉めながら真琴に尋ねる。真琴はふぅと溜息を吐くと口を開いた。

「まったく…ただでさえ人払いで迷惑かけてる上に、なに内緒ぶってるのよ。琴子さんあのね、これは全てカメラの機材が入っているの」

「カメラ?」

不思議そう表情の琴子に、真琴は無言で頷く。

「おれ、去年からモデルと並行してカメラのアシスタントをしてるんだよ。将来的には、カメラ一本でやって行きたいと思ってる」

誠はその整った顔で二ッと笑うと、そのケースを撫でるようにして言った―――





あぁぁぁ、あんまり転がせませんでした…orz……
そこそこの長さになってしまったので、一度UPさせて頂きますね(^_^;)

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::拍手コメントありがとうございます
繭様

こんにちは!
一気に転がして行きたかったのですがジワジワになっております(^_^;)
小説読んでるような気分になって頂けてますか?そう言って頂けて嬉しいです。そして、⑤と⑥の流れが誘惑~盗み聞きを思い出されたというコメント、実は私もちょっと思い出していました(笑)
『琴子は人を妬む事が無いのか?』というコメントはもうお返事するまでも無いですね(^^)⑧にもって行く為の伏線でした~。そして色々気になっていらっしゃる所もこれから触れていくつもりです。また、楽しみにして頂ければと思います♪
編集 △ page top
::コメントありがとうございます
藤夏様

こんにちは。勉強なんて…とんでもないです。ネットで情報集めながら少しだけ書かせて頂きましたが、正しい情報なのか…(苦笑)今のところツッコミとかは頂いてませんが、素人が書いてるものとして見逃して頂けてるのでは…(^_^;)

琴子が年下の子にさえ突っこまれるのは定石ですよね(^m^)らしいと言って頂きありがとうございあます♪
そして、こっそり(?)書いた直樹の悪戯にも反応していただき(笑)
見えない箇所には…っていう藤夏さんのコメントにあたしの方こそプスプス…ボン!!
あはは、自粛自粛ww

ちゃっかり西垣先生も出しちゃいました。あと一回くらいちょい出ししたいなぁ、なんて(^^♪二次を読み始めてから、すっかり彼のファンになってしまいましたよ♪
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::拍手コメントありがとうございます
yumatayu様

こんにちは。本当に少しずつしか展開しなくて申し訳ないやら情けない気持ちなんですが、ドキドキして下さるなんて本当に元気付けられました(^^)
琴子、可愛く書けてるって言って下さってありがとうございます!頑張って書きあげたいと思います!
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