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Proof 【中】


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午前11時―― 同窓会開始1時間前。
受付では代表幹事の男女各1名ずつが出席者リストの最終確認をしていた。

「ドタキャンの連絡は2名だけね。想像以上の出席率だわ。これも私たちの仕切りの良さのお陰かしら?」
女性の代表幹事、黒川恭子の言葉に高平が笑って応える。

「自分でよく言うよ。でもある意味、恭子が幹事だったのは正解だったな。相原の連絡先知っているの、お前だけだったんだもんな」

「正確には稜と私だけ、だけどね。まあ、稜は琴子が彼と結婚した事は知らなかったか。琴子の家って4,5年前に地震で全壊したじゃない?それからどこに引っ越したのか私たち、知り様がなくてね。だから琴子からの連絡を待つしかなかったのよ。でも、琴子自身も地震のせいでアルバムとか住所録とか失くしてしまったらしくて、唯一暗記していたのが私の住所だったみたい。それにしても驚いたわよ。何年かぶりで琴子から葉書が届いたかと思えば結婚報告だったんだもの」

「しかも相手が芸能人並の容姿の男で?」

「むしろ芸能人以上よ。それにしても、世間は狭いものね。その彼が稜と同じ学校でしかもクラスメイトだったなんてね」

「斗南は成績順にクラス編成があるからね。だから、まあ当然なんだけど」

「ふうん、嫌味な奴。私は勉強が嫌いよ。でも、勉強だけが全てじゃないもの。生活の充実度は卒業した後なら、思い描いた自身の姿になれているのかが一つの判断基準よ。そういう意味で私は幸せね。好きな事を仕事に出来ているんだから」

「まあ確かに、夢に向かって邁進している人間ってのは惹かれるものがあるよな」

「琴子も今、まさに邁進しているところなのね。早く逢いたいわ」

「ああ、相原今、看護科に進んでいるんだってな。入江の為っていうのが、いかにもあいつらしいけど。ところで恭子、相原が結婚してる事、誰かに話した?」

「ううん。最近忙しくて皆と会う機会無かったし。そう言う稜はどうなの?」

「まさか。そんな面白い情報、先に知らせるなんて野暮な事しねえよ」

「ほんと、良い趣味してるわ、あなた」


***

30分後受付が始まり、続々と出席者が列に並ぶ。
恭子と高平がリストと照らし合わせながらその人の山を捌いていると、懐かしい少し舌足らずな明るい声がした。

「入江琴子です。あ、えっと相原琴子って言った方がいいのかな・・・?」

その声に恭子はリストから目を離し声の主を見た。
「琴子!!久しぶり。元気してた?」

「うん、この通り元気そのものよ。恭ちゃん、幹事お疲れ様。凄く集まったんだねぇ」

「わりと盛大に開いたからね。琴子も来られて良かったわ」

「うん。皆に会えるのすごく楽しみ! じゃあ、また後でね」

後ろはまだまだ並んでいるので、受付を終えた琴子は会場へ入っていった。
会場内には既に受付を終えた者があちらこちらで輪を作って久しぶりの再会に沸いていた。
取敢えず仲の良かった友人の顔を探していた琴子に、気付いたグループの1人が声をかけた。

「琴子~!!こっちこっち♪」
「すっごく久々よね!元気してたの?」

何年振りかに会う旧友の姿に琴子の顔がパッと輝き、そちらの方に小走りに近付く。

「皆~、本当に久しぶりだね!!なんだか皆大人っぽくなったね」

「だって、もう23よ?でも私たちは地元の高校に進んだからつい此間まで一緒に居たような感覚よね。高校卒業後の時間の経過って凄く早く感じない?」

「わかるー。でも琴子ってば変わらないよね」

「「「うんうん、分かる分かる!!」」」

「な、なによう。私だって少しは大人っぽくなったじゃない、ねぇ・・・?」

「違う違う、褒めてるのよ!相変わらずのベビーフェイス。肌もプリップリ」

「そうそう。羨ましいわ」

「そ、そう?照れるな/// 私、褒められるの慣れてないのよね・・・」

琴子は顔を赤くして思わず頭に手をやる。するとその手に光るリングを目敏く見つけた1人が声をあげる。

「あっ、琴子左手薬指にリングしてる!彼氏、いるんだ~」

「い、いやそれは彼氏じゃなくって・・・」
説明しようとする琴子の声を他の友人の声が掻き消す。

「へえ~、あの天然純情乙女だった琴子がねぇ。どんな人なんだろ?興味あるよね~」

「うんうん、見てみたいよね」

更に話が盛り上がりを見せようとした時、受付が終了し、同窓会開始の案内が聞こえた。
先ずは校長や学年主任の挨拶があり、皆一応はそちらに耳を傾ける姿勢を取る。

―― なんだかまた結婚している事を言いそびれちゃったわ・・・・
琴子はどうしていつも自分はタイミングを逃してしまうのか、小さく溜息をついた。

全体での乾杯が執り行われ、また各々が話を始める。するとそこに、特徴のあるハスキーな声が響く。

「改めて久しぶり、皆」

「恭子!幹事お疲れ様~!!」

「相変わらず、人目を引くわね~~」
皆口々に声を掛ける。長身、均整の取れたスタイル、そして抜群のセンスで一瞬接しにくそうに見える恭子だが、サバサバした性格に昔から皆の人望を集めていた。

「恭ちゃん、久しぶり~~。ほんと、会えて嬉しいよ~」
琴子も恭子に飛びつく。そんな琴子の頭を軽く撫でながら、恭子もニッと笑いかける。

「元気そうね。どう勉強は。頑張ってる?」

「うん。日々悪戦苦闘って感じだけど。恭ちゃんこそ、お仕事順調?」

「ええ、小さな会社の分、任せてもらえる部分も多いからね。私には合っているわ」

「本当、恭ちゃん昔からセンス良かったもんね。鞄のデザインと営業やってるんだよね」

「かっこいいわよねぇ、恭子は。私はごく普通のOLだよ~」

「実際は泥臭く働いてるのよ。それに、普通のOLなんて言ってるけど、行きたかった会社なんでしょう?」

「うん、まあね」

***

恭子が女性の処へ向かった一方、高平は男性の集団に声を掛けた。

「よお、お疲れ」

「おっ 今日の功労者!よくこれだけ集めたなぁ」

「お前たちはしょっちゅう集まってるから新鮮味薄いんじゃない?」

「いやいや、女性がいるからね。やっぱり20歳過ぎると皆綺麗になるよなぁ」

「黒川なんて近寄りがたい位だよな」

「それよりも今日は相原だろ!!本当に、中学卒業以来だぜ?」

「ほんと、まさに直球でストライクだよな」

然程気負った格好をしている訳ではないが、雰囲気にあったスタイルをしている琴子は充分に美しかった。男性には寧ろそれが好印象に映っている。

「おい、折角だから話に行こうぜ」

「そうだな、野郎ばっかりで話すのも何だからな」

「おい大樹、お前も行くだろ?」

「え!?あ、ああ行くよ――」

***

「「「皆さん、お久しぶり!何話してるの~?」」」

「あ、久しぶりだね!皆~。といっても、男子は皆結構会ってるんだよね?」

「私たちはね、皆の近況を言ってたところ~」

お酒も入ってリラックスした面々は、長く会っていなかった時間をものともせず、すぐに打ち解ける。

「へぇ、皆何してるの?」

「私は普通のOL」

「私は主婦だよ」

「俺はサラリーマン」

「俺は実家の店継いでる」

「お前は大学院進んでるんだよな?高平」

「ああ」

「すご~い、まだ勉強してるんだ」

「頭良かったもんね」

「そう言えばさっき恭子、琴子に勉強とか言ってなかった?」

「ああ、言ったわよ」

「え?もしかして琴子って未だ学生なの!?」

「ひょっとして、単位落として落第したとか?」

「えっ・・・!?」

当たらず遠からずの質問の為、返事に窮している琴子に恭子が助け舟を出す。

「違うわよ。琴子は夢を見つけて今看護科に転部して勉強しているのよ」



「――へえ。琴子が看護師ね。大丈夫なの?」
その時、1人の男が口を挟んだ。


「あ―――!! 大樹じゃない!」

「よお、久しぶり、琴子」

「大樹、何だか背、伸びたね・・・?卒業する時には私と殆ど変らなかったのに。元々顔はイケてたから、今は結構モテるんじゃない?」

「まあね。結構伸びただろ?神は俺を見捨てなかったんだよ。今なら丁度彼女居ないぜ、立候補するか? って、それより琴子、お前が看護師になったら、患者は戦々恐々だな」

「もう、相変わらず口が悪いんだから!」

「でも、確かに琴子に面倒を見てもらうのってちょっとした冒険よね~」

「「「ハハハハハ・・・・!! 確かに!!」」」

「ちょっと~! 皆までひどいよ~」
琴子はプウっと頬を膨らます。

和やかな雰囲気で皆が会話する中、輪から少し離れた高平と恭子が話す。

「稜、まだ皆に琴子の事言ってないのね?」

「そう言う恭子だって、女子皆相原の事知らないみたいだけど?」

「ああ、何だかそんなタイミングもなかったしね。ところでさ、ひょっとして大樹、まだ琴子に未練あるとか?」

「ああ、そうみたいだな」

2人は琴子に積極的に話しかけている大樹を見る。軽口を叩いているが、それはまさに好意を持っている女性にアプローチする姿そのものである。

「でも、あれじゃ中学の頃と接し方変わってないじゃない。あれじゃいつまで経っても琴子には気持ちは通じないわよ?あの子の天然振りは相当なんだから。ま、通じたところでどうにもならないんだけど」

「そういうこと。だから俺たちが出張る必要はないんだよ。そのうち、否応なしに本人の口から真実が話されるだろ」

「じゃあ私たちは傍観させて頂くとしましょうか」





少し長くなったので一度切ります(*^^)v

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