0312345678910111213141516171819202122232425262728293005

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

DISTANCE ~恋人たちのクリスマス~ 1/2

お越し頂きありがとうございます(*^_^*)
今回は大学4回生、二人が結婚して2度目のクリスマスのお話です。
自分で言うのもなんですが、非常に自分らしい構成・文章だと思います・・・。

前半が琴子目線、後半が入江くん目線で話が進行します。
では前置きはこの位にして、続きへどうぞ♪




・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・







「もうすぐクリスマスよね~~」

12月半ばを過ぎたある夜。
あたしはベッドの中で隣に寝そべる旦那様を見つめながら、その話題を切り出した。

「ねぇ、今日理美たちと大学終わった後、表参道に行ったの」

「何しに?」

「イルミネーションを見に。点灯を待って、端から端まで歩いたんだけど、すっごく綺麗で沢山の人が見に来てたわ。きっとクリスマスはもっと凄いんだろうなぁ」

情感込めて感想を言いながら、もぞもぞと手を伸ばしてキュッと抱きついてみる。
医学部に復学してもうすぐ一年。ほんのたまの気晴らしにテニス部に顔を出す程度しか運動していないわりに、入江くんの体は相変わらず均整がとれていて、背中には男性らしさを感じるほどよい筋肉。
・・・まぁそう感じるのは、少し前まで入江くんの男性らしさの最たるものを身を以って体感していたからというのも、大きく関係しているんだけどね。
入江くんの背中は漸く汗が引いてきたようで、すべすべとしたビロードのような肌触りだ。


「で、お前が本当に話したいのは何?」

その筋肉に沿ってなんとなく指を這わせていると、低くくぐもった、あたしの大好きなトーンの声が頭上からした。

「えっ」

「クリスマス、そこにおれと行きたいって訳?」

「あ、そ、それは・・・」

胸に押し付けていた顔を上げると、入江くんの瞳は呆れたような色をしている。

「ったく、お前もこの一年で随分したたかになったもんだなぁ。今このタイミングで言えば、もしかしたらおれが首を縦に振るかもとか思ったんだろ?」

「い、いえ。そんな計算なんて全く」

慌ててブンブンと首を振ったものの・・・。あぁ、完全にばれてる。
この一瞬の言動で、あたしがクリスマスに入江くんとデートしたいと思っている事、そしてエッチの後のいつもよりちょっとだけ甘い入江くんなら「いいよ」って言ってくれるかもという淡い期待はしっかり伝わってしまったようだった。

「あ、そう。それならおれの勘違いだな。悪かったな、変に勘ぐるような事言って」

口では謝るような言い回しをしながら、入江くんは見事なしたり顔。

「じゃあおれ、明日早いしもう寝るわ」

と言うと、あたしの腕をやんわりと離し、自分の腕もあたしの首の下からスッと抜き取ると目を瞑って眠る体勢をとってしまった。


「あ~~、待って!!」

あたしは慌てて引きとめた。

「ごめんなさい、嘘ですっ!」

「何が?」

「・・・入江くんと一緒にクリスマスデートがしたいの。その、表参道のイルミネーションじゃなくてもいい。でもいつもより少しだけオシャレして、クリスマスの街並みを入江くんと歩く事が出来ればそれでいいの」

こうなったら正直に言うしか無い。あたしは一息に捲し立てるように話す。

だって。
結婚してもう一年が経とうというのにあたし達、殆どまともなデートした事がない。
こんなの普通のカップルじゃないよ。
今年も理美は良くんとレストランで食事した後ホテルに泊まるらしい。どちらも早めに予約しなければ行かれない場所だ。
じんこだって、楢崎くんがライブ終わった後、彼の家に泊まりにいくって。
『ウチは万年貧乏だから、ちょっと奮発したところでデパ地下のデリなんだけどね』って。それだって、あたしには十分幸せだと感じるよ。

なのに入江くんったら、クリスマスのクの字もないんだもん!
これでも一応今日までもしかしたら誘ってくれるかしら?ってちょっと期待してたの。
でも音沙汰なし。あたしの我慢も限界。
やっぱり入江くんには、あたしから仕掛けるしかないのよーー!!


「・・・お前、その日はパンダイのパーティ行くんじゃなかったのか?」

興奮気味のあたしとは裏腹に、入江くんは暫く黙ってあたしの顔を観察するように見た後、尋ねてきた。
そう、実は今年、あたしはお義父さんの会社が主催するパーティに出席する予定だった。というのは、昨年末入江くんが作ったコトリンのゲームがロングヒットを記録し、今年パンダイは業績をV字回復させたから。
パンダイはもう社長代理は退任したとはいえ、製作責任者である入江くんとコトリンのモデルになったあたしを正式にパーティに招待していたのだ。
(オタク部・・・もといアニメ部は知らないけど多分招待されていない)
お義母さんも裕樹君も其々社長夫人、次期社長候補としてそのパーティに参加する。
パーティは二部形式で昼から夜まで盛大に開かれるのだという。


「う、うん。でもやっぱり敷居が高いかなって。それに出席したらあたし、また何か粗相してしまいそうで」

あたしは苦笑いを浮かべながら答えた。
でも本当の理由は入江くんが出席しないって言ったから。

『その日は夕方近くまでグループ研究があるんだ。それにコトリンが売れ続けたのは、宣伝部や販促部中心に今居る社員達が尽力したからだろ?』

出てくれなくては困ると眉を顰めたお義父さんに、入江くんはさらっとそう言ってあっさり出席を辞退してしまったのだ。
入江くんが行かないのから、あたしが行くなんて更に滅相も無い事。


「確か入江くん、イブは大学5時で終わるんだよね。だったらその後どこか行かない?あたし、その頃大学に行くようにするから、校門前で待ち合わせようよ。ね?」

その日、あたしは既に大学に行く必要がなく終日フリー。
そして入江くんの医学部グループ研究は、午後4時で終わるはずだ。
だとすれば、夕方からは夫婦水入らずの時間が過ごせるはずよね。ふふふ。

「ってお前、その後おれに用事があるとは思わねーの?医学部で飲み会あるかもしれないぜ?」

「あら、でもそんなの無いでしょ?だってそれもちゃんと調――」

と、そこであたしは慌てて口を噤んだ。おっとっと、いけない!口が滑るところだった!
こんな事ばれたら、入江くんにまた呆れられちゃうじゃない。


「・・・ふぅん、話した覚え無いのに、よくもおれのスケジュールをよく知っているもんだなぁ?」

然し入江くんはあたしの頬に手を添えるとにっこりと綺麗な笑顔を見せた。
ひぃっ!綺麗な表情だというのに、何でこうも凍りつくような鋭さがあるかしら。
こちらを見据えてくる入江くんの目はギラリと眼光が光っていて、あたしは堪らずゴクリと喉を鳴らす。

「ご、ごめんなさい。・・・まずは入江くんの知らなきゃ頼めないと思って少しばかり情報収集したの・・・」

「医学部で、色んな奴から『奥さんに“イブの入江くんの予定がどうなっているか知らない?”って尋ねられたよ』って聞かされた」

「う・・・」

し、しまった。やっぱりばれてた。
詰めの甘い自分が悔やまれる。
あぁ、ちゃんと『入江くんには黙ってて』って口止めしておくべきだった!

「言っとくが、口止めしても無駄だ。人の口に戸は立たないからな。ったく、お陰で散々同じ事を返事しなきゃならなかったよ。これからは回りくどい事せず、普通におれに聞けよな」

「・・・はぁい」

あたしはシュンと大人しく返事する。
確かにそこらへんにいた白衣の着た人に片っ端から聞いて回ったので、その人たちが皆入江くんに同じ事を伝えてきたならば、入江くんは今日30回は同じ返事をした事だろう。


「―え、でも待って・・・」

その時あたしはふと閃いた。
そうだよ。今、入江くんがこんな事を言ってくれるって事は――!?


「入江くん、もしかしてデートしてくれるの!?」

「・・・っ!!」

その結論に行き着いた時、あたしは思わず入江くんの上に圧し掛かった。
入江くんがびっくりしたように目を見開いている。

「えらく大胆だな。もう一回誘ってる?」

「・・・な訳ないでしょ!?///」

からかってあたしの小さな胸に手を這わせてくる入江くんの手を、あたしはぺチッと叩いて払い除けた。
だって、あたしは今クリスマスのデートの約束を漕ぎ付けるのに必死なんだから!
大体明日は早いって入江くん自身がさっき言ったじゃない。これからエッチしてたら寝るのが更に遅くなるでしょ!?


「あっそ。つまんね」

すると入江くんは急にいつものクールな顔に戻った。

「きゃあっ」

入江くんにポイっと投げ出され、あたしの体はボスンとマットレスに沈む。

「ま、どうにしても無理だけど。おまえの探りがきっかけで、その日は医学部で忘年会する事になったから」

「え、えぇーー・・・・」

くるりと背を向けた入江くんの背中にあたしは悲痛な声を漏らした。
なに?つまり始めから入江くんに素直にお願いしていたら、もしかしたら入江くん素直にいいよ、って返事してくれていたって事?


「ね、ねぇ入江くぅん」

「まさか反故にしろとは言わないよな?琴子ってそういうところ昔から義理堅いし」

「いや、あの、でも・・・」

「あぁ、もう2時だ。マジで寝ないと明日に響くから。じゃ、おやすみ」

ちょっと甘えた声をだしてみたものの、それっきり入江くんは“話し掛けんな!”ってオーラを全面に出し寝てしまった。はぁ、難しい人だな。


「・・・もう、眠っている時はこんなに優しい顔をしてるのに」

やがてスースーと小さく聞こえる規則的な寝息はとても穏やかで、取りあえずあたしはむき出しになった入江くんの逞しい肩に布団を掛け直した。
そしてその形の良い鼻を僅かに摘む。

「入江くんのバカ」

どんな形であれ、あたしがクリスマスを入江くんと一緒に過ごしたいって分かっていたというのに、そんな約束をしてくるなんて。
入江くんったら、本当すっごく意地悪!!






ピロートークなのに甘くならない二人。きっとこんな夜もあろうかと(笑)
後編はクリスマスイヴになります。






テーマ:二次創作:小説
ジャンル:小説・文学

プロフィール

ぴくもん

Author:ぴくもん
ご訪問頂きありがとうございます。
こちらは漫画好きの管理人・ぴくもんの創作ブログです。
各ジャンルの原作者様、著作権者様・出版その他関係者様等とは一切関係ございません。
原作のイメージを大切にされる方や二次創作を理解されない方、不快に思われる方は、此処でお引き返し下さい。
拙い作品ばかりですが、少しでも楽しんで頂けたら幸いです。


詳しくはこちらをご参照下さい。

カテゴリ

最新記事

online

現在の閲覧者数:

LINK

◆日々草子 (水玉様)

◆kiss shower (幻想夢 影菜様)

◆ 玉響のキセキ (ほろほろ様)

◆イタズラ★Days (ha様)

◆こんぺい糖と医学書 (千夜夢様)

◆Embrasse-moi (えま様)

◆ぼんやり日記 (よもぎ様)

◆雪月野原~snowmoon~ (ソウ様)

◆HAPPY☆SMILE(narack様)

◆*初恋*(miyaco様)

◆みぎての法則(嘉村のと様)

◆φ~ぴろりおのブログ~(ぴろりお様)

◆真の欲深は世界を救う(美和様)

◆むじかくのブログ(むじかく様)

◆つれづれ日和(あおい様)

◆イタKiss~The resident in another world ~(九戸ヒカル様)

◆Snow Blossom(ののの様)

素材拝借サイト様

Dolce様

空に咲く花様
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。