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THE VOW 1

「イタキス Zircon Wedding 2012」

(上のバナーからemaさんが012年7月にemaさんが発行された「suite kiss」の再録ページに進めます♪)



続きからは私がそちらに寄稿させて頂いた作品をUPするのですが・・・。

すみません、実は今日emaさんにお渡ししてから本当に一切読み返さなかった作品に目を通したところ・・・。

ひぃ~~~(大汗)修正したい箇所がちょこちょこ出てくる~~(>_<)
という訳で、流れに変わりはないのですが、色々表現修正いれながら更新させて頂きます。
「suite kiss」がお手元にある皆様はぷぷぷ、やっぱりこれはね~~と思われながら、はじめてご覧になる方はどうぞ新鮮なお気持ちでお読みいただけたらと思います。

いやほんと・・・、だから自分の作品って読み返すの嫌なんですよね(^_^;)

そしてお知らせでは三話ほどに区切って更新と申しておりましたが、コピペで済まなくなった為、こちらももう少し沢山に分けさせて下さい。
修正出来次第なるべく早く更新していきますので!

なんだかほんとに申し訳ないので、コメント欄も閉じておきます。
→拍手コメントの返信の為開放しました。(2012/11/06)

修正がんばれ~~と思って下さったら、宜しければ拍手ポチッとだけしてくれたら嬉しいです!
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・













十一月の日没はとかく早く感じられる。

無論、実際のそれは秋分の日から暦が進む毎に徐々に早くなっているのであるが、感覚により強く訴えるのは、先日立冬を迎えてから空気がぐっと冷たく冬らしくなってきたからであろうか。
すっかり見えなくなってしまった太陽の代わりに街を照らす街灯の下を歩く人たちは皆、強いビル風から我が身を守るようにジャケットや薄手のコート前を合わせ、急ぎ足でそれぞれの行き先へ歩を進めている。

その中、都内某ホテルのブライダルコスチュームサロンはそんな街の喧騒を感じさせない穏やかな時間が流れていた。
温もりのある照明。薄着でも心地よく過ごせる室温。焚かれたアロマの匂い。
そして何より、此処に用事のある者は、おおよそ近い将来に慶事を控えているのだから、その表情は皆柔らかく喜びに満ちている。

とりわけ数時間は、いささか甲高いくらいの歓声が一定時間毎に室内に響いていた。
今も試着室のカーテンが開いた途端、「きゃあ~~!」と喜色に富んだ声があがる。


「琴子ちゃん、それもとってもいいわ!」

純白のウェディングドレスを身を包んだ琴子がカーテン越しから現れると、ソファーに座って待機していた紀子は興奮気味に叫びながら立ち上がった。
手を前で合わせ、満面の笑みを浮かべ琴子の元に歩み寄る。

「あ、ありがとうございます」

一方、琴子は首だけ動かし、はにかんだ笑顔を見せた。
フィッティングを手伝ってくれているスタッフが身体を屈めてドレスの裾を見栄えの良いように整えてくれているので下手に動く訳にはいかない。

「・・・だけどこんなに沢山いいんでしょうか・・・?」

少し困ったように眉を下げたのは、このやり取りが既に何度となく交わされていたからだ。
チラリと側にあるラックに目をやると、其処にはAラインやプリンセスライン、マーメイドとありとあらゆるライン、そしてディティールのウェディングドレスが取り置かれている。
これらは全て紀子に勧められるままに試着していったものであるが、どれも素晴らしく、琴子の心を浮き立たせた。とはいえ、これという決め手を見出せぬ為、その数は増えていくばかり。
今、自分のこの優柔不断さは酷く回りに迷惑を掛けているのではないだろうか・・・。
琴子はすっかり恐縮してしまっていた。

すると紀子は大袈裟に目を丸くして腰に手をやった。

「まぁ琴子ちゃんったら。花嫁が何を遠慮してるの?」

人差し指をすっと前に出し、琴子の顔を覗き込むように見る。

「ウエディングドレスを着るのは一生にただ一度だけなんだから!
 最良の物を選ぶには時間が掛かる物よ。絶対妥協なんてダメ。
 勿論、遠慮なんて無用なの!」

「でも・・・」

流石にこれは遠慮がなさ過ぎるのではないかと思ってしまう琴子。

何せ人気のあるこのホテルで結婚式をあげようと思えば、最低一年前からは予約するのが妥当といわれているのである。そこに無理矢理パンダイという大企業の社長名を使って捻じ込まれた披露宴は、ただでさえギリギリのスケジュール調整で回しているスタッフをさらに忙しくさせていた。
よって打ち合わせは相当タイトな時間でやりくりする事を余儀なくされ、ドレス選びも出来ればこの時間中に決定しなければならない。
なのに現状はこの有様である。

然しそこに「お義母様の言う通りですよ、琴子さん」と優しく口添えしてくれたのは、ずっとこの長いフィッティングを担当してくれている山下であった。
山下は、

「これだと思える一着を一緒に探しましょう。きっと見つかるはずですから。
そして旦那様をあっと驚かせちゃいましょう?ね?」

小首をかしげ茶目っ気たっぷりに微笑む。
相手を安心させる朗らかな表情と口振りはさすが由緒あるこのホテルのベテランスタッフといったところか。

「あの、本当にいいんですか・・・?」

琴子は遠慮がちに山下を見た。一番迷惑を掛けていると思っていた相手だったのだ。
「勿論!」山下は笑顔で請合う。

そこに紀子が

「そうよ、琴子ちゃん!とびっきりのドレスを着てお兄ちゃんをあっと驚かせなきゃ。それで更にぞっこんにさせちゃうのよ。いいわね!?」

発破をかけるので、呑みこまれた琴子は「は、はい・・・!お義母さん」と勢いよく返事した。

「ぴったりのものが見つかって、入江くんに綺麗って思ってもらえたらいいな・・・」

思わずつい本音を漏らしてしまった事にハッとし、慌てて赤くなった頬を手で挟む。
なんとも純朴で可愛い未来の花嫁に、紀子と山下は声を揃え「思いますとも!」と合いの手を入れた。
そして室内はまた笑い声で満ちる。


「さぁ、それではもう一度鏡に向いましょうか」

山下に促され、琴子は頷くともう一度背筋を真直ぐ伸ばし鏡の前に向って立った。
これぞと思う一着には未だ巡りあっていないが、今日はもう何度と試着・確認を繰り返した為、ドレス姿を見るのだけは随分慣れたような気もする。簡単にだが花嫁らしく髪型を作られ、化粧した自分はなかなか花嫁らしく見えると思う。

だがこの自分の横に直樹が立つとなればどうだろうか・・・?
横にタキシードを身につけた直樹が居るところを想像しようとすると、それはなかなか上手くいかない琴子だった。

(・・・でも、あと十日。
 十日後にはあたしはこんな風にドレスを着て入江くんの隣に立つんだ。入江くんのお嫁さんになるんだ・・・)

心中で何度も呪文のようにそう呟き、イメージトレーニングしようとすると、尚更空想の中の直樹の顔はぼんやりとかすんでいってしまう。


と、思わずぼぉっとしてしまいそうな琴子の耳にふと紀子の弾んだ声が聞こえた。

「あら、そのドレスすっごく素敵!」

それは今日、紀子の口から既に何度となく出た科白だったのだが、思わず勢いよく振り返ってしまったのは条件反射だけでなく虫の知らせだったのかもしれない。

「ちょうど今しがた入荷があったんですが、新婦様に雰囲気がぴったりだと思いまして」

そう言って山下とはまた別のスタッフが持ってきてくれたのは真白い不織布に収められたウェディングドレスだったのだが、透明になっている部分からロールカラーの部分が大きなリボンになっているのが分かる。
スタッフは笑み絶やさずカバーを取り外すと琴子と紀子に見て下さいと言わんばかりに頷いた。ドレスの全体像が見える。
それはプリンセスラインだがデコラティブ過ぎず、どちらかといえばノーブルなデザインでなるほど琴子によく似合いそうであった。

(わぁ――)

琴子の目が吸い寄せられるように留まる。

「まぁまぁ、これはまたすごくお似合いになりそう!」

「ですよね。私もそう思ってつい♪」

「本当ね~~、さすがプロね。目が利くわ~~」

山下と持ってきたスタッフ、そして紀子も目を輝かせ意気投合すると、同じタイミングで琴子の方を振り返った。

「琴子ちゃん、どう――?」紀子が目を輝かせながら琴子に尋ねる。


「・・・はい!あの、そのドレス、是非着てみたいです。いいですか・・・?」

琴子はコクリと頷き返事をすると、ドキドキしながら三人をぐるりと見回し訊いた。

「「「ええ、ええ。勿論!!」」」

琴子の関心を素早く察知したかの彼女達は、まるで旧知の仲のように声をはもらせ答える。


「ああ、でもその前に今お召しになっているドレスのポラも撮っておきましょう」

「あっ そうですよね。じゃあ私が撮りますので新婦様はこちらを向いて下さいね。はい、ニッコリ笑って――」

「あ、は、はいお願いします・・・!」

琴子がにっこり笑うとスタッフはポラロイドカメラのシャッターを絶妙のタイミングで切った。

「それではまたお着替え入りまーーす!さぁ琴子さん、もうあとひと踏ん張り♪」

山下に励まされ、琴子は「はい」とにこやかに答えると、再び試着室に入ったのだった。



テーマ:二次創作:小説
ジャンル:小説・文学

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Re: なおちゃん様

>なおちゃん様

コメントありがとうございます。
台湾イタキスでそんなシーンがあるんですね^^台湾版は流し見した程度で覚えてないのです。
好きなシーン教えて頂きありがとうございました。

承認待ちコメント

このコメントは管理者の承認待ちです

拍手コメントありがとうございました!

> みゆっち様

こんにちは!コメント欄閉じていましたのに、応援メッセージ残してくださってとても嬉しかったです。ありがとうございました♪

まだ入江くんと結婚出来る事がどこか信じられないって気持ちとか、入江君に綺麗って思ってもらえたらとか、琴子ちゃんは本当に純粋で可愛いですよね(*^_^*)
ウチの琴子ちゃんを大好きって仰って頂けて嬉しいです。ありがとうございました♪

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