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::プレゼント大作戦!? ③
横道に逸れてるうちにすっかりこちらが停滞しておりました^^;

くだらないお話なので(←いつもだけど)ざっくりと進めていきますよーー。
再びモトちゃん視線に戻ります。

・・・・・・・・・・・・・・


「しょ、紹介?あんた達が?」

突然降って湧いたように現れたオタク部達の誘いに、琴子はぎょっとして彼らを凝視した。

「ちょっと琴子、相手にするんじゃないわよっ」

「そうよ。きっとロクな事じゃないわ」

アタシと真里奈はすぐさま琴子を嗜めた。そりゃそうよ。かつて琴子と彼らの間にどんな経緯があって自主制作アニメの製作者とそのヒロインのモデルという関係が成立したかなんて、到底想像できない。でもこの連中がまともなバイトを紹介するわけが無い事は容易に予想できる。

「わ、分かってるわよ」答えた琴子もそれは同じみたい。
けど、きっと入江さんへのプレゼントの未練を断ち切れないのね。無意識にオタク部達の次の言葉を待つ姿勢をとってしまってる。
それを見抜いた彼らは薄気味悪い笑みを浮かべた。

「失敬だなぁ。こんな高待遇、他を探しても絶対見つからないのにさ」

「全くだね。今週土曜日の一日ポッキリでOK。しかも時給はコトリンが昔働いてたドニーズの倍くらいはかたいんだけどな」

「え!?な、なにそれ。どんな仕事なの?」

「「「琴子!!」」」

「と、とりあえず聞くだけよ。聞くだけ」

アタシや真里奈、啓太も口を揃えて一喝したけど、そう言い訳するように答えオタク部達を真剣な眼で見つめる。
(こんな時にあれだけど、琴子ってドニーズでバイトしてたのね。客として知り合わなくて助かったかも)

「ぐふっ。さすがコトリン、話が分かるね~。でも本当に損はさせないよ~~」

するとオタク部の中でもひと際脂ギッシュな眼鏡をかけた男が言った。名前はたしか青木っていう。こんな奴の名前なんて覚えたくなんかなかったけど、初めての看護実習の時に真里奈の担当患者だったから覚えちゃったのよね。あぁ、患者の顔を名前を忘れない優秀な記憶力が少しばかり恨めしい。

青木はカピカピに乾いた分厚い唇を舌でベロンとなめると、手に持っていた一枚の紙を食堂のテーブルの上にぴらりと載せた。

「実は今週末、このイベントに参加するんだよね」

「「「「「・・・?」」」」」

あたし達は顔を寄せ合うようにして紙を覗き込んだ。そこにはアタシでもなんとなく聞いた事のある同人即売会の名称が書かれていた。

「ウチらがこれまで製作した『ラケット戦士コトリン』と『ナース戦士コトリン&マナリン』の映画DVDやその他コミックを今度此処で出品する事になったわけ。そこでコトリンには是非広告塔になってもらいたいんだな~。どう?最高のアイデアでしょ?」

「な、なにが“いいアイデア”よ!」

「またまたぁ。昨日までだって学祭の宣伝、率先して参加してたじゃない。ドン引きのマナリンを無理矢理引き摺ってまでさぁ」

「そ、それは・・・っ」

すっかり向こうのペースに乗せられ真赤な顔で反論したり青い顔でたじろいだりと忙しい琴子。
それにしてもちょっと笑えるのは、真里奈が舞台挨拶でドン引きしてたことはちゃんと認識してるんだって事。
それでもって琴子はノリノリだったと思っているのね。まぁミスコン絡みで琴子が必死になってたことなんて、こいつらには全く興味がなかったろうし。

「こないだみたいに『こんなに素敵な男の子達に集まってもらってコトリン、嬉しいでーす』って笑って一人一人に握手してくれたらいいし」

「ほら、まるでアイドルの握手会みたいでしょ?ウチらの活動のお陰で今やコトリンは結構な人気者だしね。嬉しい?ねぇ嬉しいよね?」

「そのうえ今回はギャラまでもらえるなんてこんな美味しい話ないよ~」

いつの間にやらオタク部達は、さも全てが自分達の功績と厚意であるかのように話を展開させていった。
まったく恐れ入る厚かましさだわ。でもこれじゃさすがの琴子も目が覚めて突っぱねるでしょ。

ところがふと横目に見た琴子はひどく思案顔をしていた。ま、まさかやるなんて言わないわよね!?
だってこんな奴らがウヨウヨ大挙してくるのよ?
なにを触ったかしれない手を握ってスマイル作らなくちゃいけないのよ。
なにより――、もっと恐ろしい何かが待っている気がしてならないわ・・・。

「ほ、ほんとにドニーズの倍の時給もらえるの・・・?」

なのにアタシの気持ちも知らないで琴子はとうとうそんな事を口にした。

「「「「・・・・・っっ!!!」」」」

一斉に顔が青ざめるアタシ達。
お互い同じ予感を覚え、自然と視線を交わすと口々に琴子を引きとめようとした。

「琴子、こんな奴らの口車に乗っちゃダメ!」

「そうよっ。ほら、さっきの会話もう忘れたの?来週からあたし達看護実習なのよ!?」

「その通りだ琴子。悪いこと言わないからやめとけって」

「ええ。それにもし行ったら後できっともっと恐ろしいことが起きそうな気がするし」

何気に智子が一番核心に近い事を言ったわね・・・。でもそう、そうなのよ。

もちろん琴子は家族に内緒でバイトするつもりでしょうけど。だけどあの子の行動って分かりやすいのよ。あの入江さんが何も感付かない方が想像できない。
すると自動的に恐ろしい光景が目に浮かんでくるのよ・・・。
他の男たちに笑顔で握手しているところに現れる入江さん――。
そうなれば琴子はもちろん、事情を知っていたアタシ達にまでどんなお仕置きが待っているか分かったもんじゃないわ。
そりゃ入江さんのクールさは素敵で憧れだけど、極寒ブリザードを浴びさせられるのはイヤッ!絶対にゴメンよ~~!


だけどアタシ達の必死の引きとめも虚しく、オタク達は見事に琴子の心を絡め取っていった。

「ああ、それは約束するよ。なにせ学祭の映画を観に来てくれた人等にイベントの事話したら、全員口を揃えて買いにくるって言ってたしね」

「それに加えてネットやオフ会での宣伝もけっこう力入れてるから、来場者はかなりの数になるはず」

「参加費やらなんやらを差っ引いても粗利益はそこそこになると思うね」

そう言ってどこから出してきたのか電卓を弾いてみせる。
そこには本当に結構な数字が出ていてあたしたちは思わず目を見開いた。

「そ、そんなに出るならもう少しはずんでくれてもいいんじゃないの!?」琴子の目がさらに真剣になった。

「チッチッ。それは無理な相談だね。この利益はウチらの今後の活動資金にもなるんだから」

「なによ。ケチくさいわねーっ」

「でも・・・、こんだけ貰えるならあたしもちょっとやりたいかも・・・」すると真里奈がポロッととんでもない事を言い出した。

「ちょっと真里奈っ!!」

「だってぇ~~、琴子と違ってあたしは一日くらいバイトしたって実習に響かないくらい優秀だしぃ。それにこのバイト代で狙ってたJustin Davisのピアス買えちゃうもの~~」

ったく、現金な奴だわ!こうなると2対3でストッパーの力は急激に落ちてしまう。

「そういう話なら大歓迎だよ」

「マナリンもやる気になってくれるなんて嬉しいなぁ」

まさか真里奈が自ら志願すると思ってなかったオタク部達は、棚ぼたといわんばかりにニンマリとほくそ笑む。


「要は逆転の発想よ」真里奈はピンと人差し指を立てると力説を始めた。

「琴子がドジなのはいつもの事だから実習でもあたし達が出来る限りフォローすればいいのよ」

「「「・・・それはまぁたしかに一理あるけど・・・」」」

「な、なによ皆揃って、失礼じゃないの~」そんな会話を交わすアタシ達の顔を交互に見て頬を膨らませる琴子。

「でも一番の問題が残ってるわ」智子が困ったというように首を捻った。

「入江くん・・・だよね」若干皆と意味合いが違うけれど、琴子も頷く。

「それも皆で協力すればどうにかなるはずよ。あたし達が口裏を合わせればたった一日ぐらいアリバイ作りは可能でしょ?」でも真里奈はあくまで強気の姿勢を崩さなかった。

「「「・・・・・。」」」

アタシと啓太、智子は顔を見合わせどうしたものかと肩をすくめた。

「じゃあこれでどう?土曜は皆で集まって朝から晩まで勉強会してたって事にしてくれたら、明日の食堂ランチ、琴子とあたしで奢ってあげる」

「・・よし、分かった」

「け、啓太!」

「もう仕方ねーよ、幹。こうなったら強い目的を持った方の言い分が勝るんだから」

「啓太、バイトの給料日が明後日なのよ」智子が小さく耳打ちしてきた。一人暮らしの啓太はともすると琴子より切羽詰っているのかもしれない。
あたしは盛大に溜息しながらももうそれを受けいれるより他無いんだなと思った。

「どうやら交渉成立だね」

オタク部達がまたグフグフと不気味な笑い声をたてる。


「じゃあ詳しい事はまたあらためて。君ら、明日もここでランチするんだよね?」

「ええ」

「さぁ、これから色々詰めていかないと。くくく、楽しみ楽しみ」

ほくほくと帰っていく丸い猫背の3人の姿を見送ると、面倒な事になったと再び大きく嘆息せずにはいられなかった。
ああアタシってどうしてこんなお人よしなのかしら?
でもこうなったらミッションを完遂させるしかないわ。せめてもの報酬に入江さんへのプレゼント選びにはあたしも一緒についていってやるんだから!
とんちんかんなプレゼントなんて選ばせないわよ~~っ。


というわけであたし達は翌日、再びオタク部達と対峙する事になった。
当日のスケジュールを把握し、口裏を合わせるため土曜日の嘘のスケジュールを立てる。
そしてあっという間にイベント前日を迎えた。


「いい、琴子。今夜が肝だからね。絶対に入江さんに勘ぐられるような言動・行動は慎むこと」

別れ際、最後の念押しにそう言ったアタシに、琴子は「うん、大丈夫。任せて!」と胸を叩いて笑った。

「モトちゃん、色々ありがとね。じゃあね真里奈、明日会場でね~~」

夕焼けに髪がキラキラと輝く琴子の背中をアタシは少し不安気に見送ったのだった。

18巻スキマ  コメント(8)  △ page top


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::> 紀子ママ様
> 紀子ママ様

こちらにもコメントお寄せ頂きありがとうございました!
ああ、やっと全部お返事できました・・・!

そうなんです。真里奈まで乗っちゃいましたよ~~おまけに啓太まで!(@@)
琴子ちゃんのちょっとずれた一途な思いがまたまた嵐を巻き起こしそうな予感です^^;

>智子も心配するドン入江んの黒い影・・・ってもう!紀子ママさん、さすがオタクシリーズもしっかり網羅されていらっしゃる~~!
この一文、必殺仕事人のナレーション風に読んでしまってすっかり嵌ってしまいました(≧m≦)

そして「そんな暇があるなら一日も早く勉強して~」という紀子ママさんの冷静なツッコミも笑っちゃいました!
本当、琴子ちゃんに是非聞かせてあげたいものです(^m^;)
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::> 水玉様
> 私の方こそご無沙汰しておりました>_<
オタク部の登場に部長からコメントが頂けてすごく嬉しいです!
なのに、こんなにお返事が遅くなってしまい申し訳ありません~~(T_T)

まさかここまで書くとは、と仰って頂きありがとうございます♪(都合よくお褒めの言葉と受け取らせていただきました^m^)
これはもう、部長と副部長の活動のお陰でオタク部のイメージをしっかり固めさせて頂いたお陰ですよ♪
いえ、それにしてはまだまだ描写が甘いとは思いますが(爆)

しかしこんな割りのいいバイトならしてみたい!って私も思います~~(笑)
あ、でもやっぱりどうかなぁ^^;難しい選択かもしれません。

新境地なんて、そう思って下さって光栄です!このごろちょっと肩の力が抜けてきたのかもしれません(*^_^*)
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::>たまち様
> たまち様

本日3度目のお返事です。うう、いつもこんなだらしない運営で申し訳ありません>_<

そうなんですよね~。琴子ちゃん、ドニーズの倍の時給に惹かれちゃいました(^_^;)
真里奈もあんなにオタク達を毛嫌いしてたのに、やる気になってるし(笑)
ああ、お金って怖いですね~~(って何のお話?ww)

そうそう、モトちゃん達もすっかり共犯者になっちゃってるんですよ。
入江くんに隠しとおせるなんて、考えが甘いですよね!だって専用センサー搭載してるのに、逃れられるわけないんです(爆)

衣装、ちょっと迷ってるんですよね~、実は。
2つまで候補絞ってますが、そこからが悩む悩む(それほどのものじゃないのに 笑)
結果オーライになることをどうぞ祈っていてください♪
それとも恐怖のカウントダウンか・・・ふふふ。

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::> 玉子様
> 玉子様

こんにちは。いつも楽しいコメントに癒され励まされているのに、こんなだらしない運営の仕方で申し訳ありません>_<
この頃お忙しい日々をお過ごしだったのですね。もう少しは落ち着かれましたか?
時節柄どうぞご体調にはお気をつけ下さいね。

さて、その間更新していたあれこれにもコメント寄せて下さりありがとうございます!
あの拍手の琴子ちゃんに瞬殺されましたか(笑)そうそう、あの据え膳を入江くんは自制したんですから、やる時はやる男ですよね~☆まさに驚愕!
でも当たらないようにはしたようです。ライオンの自己防衛ですねww

そしてこちらのお話。そうそう、まんまと奴らと真里奈の口車に乗ってしまった琴子ちゃんです^^;
後がこわいのに・・・学習しないんですよね~(^_^;)
それからそうでした、そうでした!月のものでお預けくらわしてたんだった!(← 忘れてた^^;)
これはヤバイですね。琴子ちゃん、にげて~~っ!!(と、本日の夜放送されるラ○ュタのシータ風に言ってみるww
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