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::Theory of relativity
―恋と愛の違いって何だと思う?
 答えは当然人其々。

恋は瞬間で、愛は永遠だという人もいる。
恋はその行動が自己に起因し、愛は相手に起因するという人もいる。

…私はどう思うか?そうね、どちらも言い得て妙なりと思うわ。
そして私の想いは、どちらかと言えば愛だと思う。
だけど…残念ながらこの深い想いは想い人には届かない。
何故ならその人には既に永遠の愛を誓った女性がいるから。
そして何よりも…私が間違えて男に生まれてきてしまった女だから――


***

講義終了のチャイムが鳴り響く。
とは言っても私の在籍する看護科はこの時間実習だった。
いつものグループで、毎度嵐のような出来事を巻き起こすこの娘は、相変わらず周囲の期待(寧ろ不安)を裏切ることなくドジをやらかし、周りの私たちはその尻拭いの為に実習で使った器具の片づけを講師に言いつけられた。

「まったく、大概にしてよね。いつもいつもアンタのせいで!病院実習が終わって久々のコンパなのに化粧直しの時間減っちゃったじゃない!」

「真里奈…お前はこの大事な時期にまだそんなことしてるのか!?」

「えー、だって息抜きも大切よ?ねえ智子」

「そうね。でも私は早くまた実習に言って大きな手術の見学をさせてもらいたいわ。それに啓太も何だか急いでいるみたいだよね」

「お、俺は別に…」

「あ~ら、そんな事言って…私たちが気付いていないととでも思ってるの?今日も秋子ちゃんの様子、見に行くんでしょ?」

「///そ、それは純粋に秋子ちゃんの脚の経過が気になるからであってだなぁ」

「よっ啓太!女泣かせ!!」

「…琴子…。元はと言えばいつもお前が基礎中の基礎でヘマをするからいつも俺達が巻き添えを食うんだ!ちっとは反省しろ!!」

「うっ…」

「はいはい、もう終了ー。じゃあ最後にこの器材を準備室に片づけに行く2名を決めて、残りは解散ね。じゃあこのクジ引いて~」
真里奈が実習服のポケットからいつものくじ引きを取りだす。

「じゃ、じゃあ私から…」
琴子が目を瞑って恐る恐る手を伸ばす。

「なに言ってるの。琴子は迷惑かけた張本人なんだから決定人員よ」

「「「そうそう」」」

「なによぅ、皆して」

「それ位、当然。はい、文句なしよ~」

琴子以外の4人が一斉にクジを引き抜く。

「あ~~~!また私だわーー!!」

「モトちゃん、ご愁傷様」

「幹、これもまた試練だ」

「モトちゃんごめんね…?じゃあ、お疲れ様」

難を逃れた3人はさっさと実習室を後にした。

「エヘヘ…じ、じゃあ今日も宜しくお願いします…」

「まったく…さっさと終わらせちゃいましょ」

***

「「失礼しました~」」
漸く全ての片づけを終え、私と琴子は一息ついた。

「ふ~、やっと終わったね。いつもゴメンね、モトちゃん」

ペロっと舌をだして私を見上げるその姿は、本人は微塵も計算していないんだろうけれど多分、男なら可愛いと思ったりドキッとしたりとかするんでしょうね。
…不本意ながら、入江さんも…

そう、このバカ・ドジ・早とちりと三拍子揃ったこの娘が、私の、そして多くの女の心を惹きつけて止まない全ての称賛を体現した男の愛する妻。
初めてその事実を知った時には信じられない気持だったけれど…今となってはそれを一番自覚していないのは愛されている彼女自身であることが分かってしまった。

入江さんの愛の深さを知ってしまった人間は、もう2人の間に立ち入るような野暮な真似をする気など完全になくしてしまうと思うわ。
対してその愛を一身に受けている琴子の、入江さんを想う重さも凄まじいものがある。
ただ…この子のその表現方法はいつも間違ったベクトルに向いていて、見守る周りの人間はいつもヒヤヒヤさせられる。
そうね…恋と愛の話で例えるなら…琴子は入江さんに永遠に恋をしているってところかしら――

それにしても――
「ねー、琴子。アンタちゃんとお肌の手入れしているの?腕、乾燥して今にも粉吹きそうになってるわよ」

「あ~、そうなんだよね。バレた?」

「冬でも実習服は半袖だからね。そんな肌じゃ百年の恋も冷めるってもんよ。アンタ、前に私と学校帰りに桃の香りのクリーム、買ってなかった?いい匂い!とか言って即効レジに向かってたじゃない」

「あ、あの、なんだかね、肌に合わなかったみたいで」

「ほら、だから試供品貰ってからにしなさいって言ってあげたのに聞かないから」

「そ、そうね…。…ね、ねぇモトちゃん」

「な~に?」

「あ、あのね…美味しい味のクリームって、売ってない…かなぁ?」

「………」

―はは―ん…そう言う事ね。肌に合わないんじゃなくて誰かさんのお口に合わなかったんじゃない。

「そんなの、終わった後に塗れば済む話じゃない」

「でも終わった後はいつの間にか眠っちゃうし…ハッ!!!///」

―まったく、無意識だったの?この娘は…勘弁してほしいわ。

私は溜息をついて琴子を軽く睨んでやった。

「あ、あのっ!私これから着替えなきゃいけないし、モトちゃん先に帰ってて!!今日は本当にごめんね、それじゃあ!!」
そう捲し立てて、琴子は脱兎のごとく更衣室目掛けて走っていってしまった。


***

そして遠慮なく先に帰らせてもらった私が現在立ち寄っている場所…それはI丹の2F、ビューティアポセカリー。
私好みの素敵なオーガニックコスメが沢山ある。

元々今日はI丹に来るつもりだったのよ。…但し、刻一刻と迫る聖バレンタインに入江さんのお眼鏡に適うチョコレートを選ぶためにね!!!
勿論チョコレートはもう選んだわ。だけどあの子の話聞いちゃったから…ここにも来ちゃったのよ。
さぁ、ここに条件に見合ったものはあるかしら…?

「お客様、ボディクリームをお探しですか?」

「ええ、実はそうなんです。よく分かりますね」

ここにはブランドの垣根を越えて商品を選んでくれるコンシェルジュがいる。そんな所が美に貪欲な私にぴったりなのよね。

「先程からボディクリームをずっと御手に取っていらっしゃたので。どういったものをお探しですか?宜しければ一緒にお探しいたしますので」

「ありがとう。じゃあ、美味しい味のクリーム、なんてあるかしら…ハッ」

―私ったら…!!これじゃ琴子と同じじゃない!
ちらりとコンシェルジュの表情を窺う。…やっぱり、反応に困っているわ。


帰り道の私の手には、チョコを買った袋と、ボディクリームを買った袋が握られていた。

『こちらのクリームは美味しい、とは言いませんが口に含んでも害のない商品ですので…』
そう言って選んでもらったボディクリームは芳しい薔薇の香りのものだった。
試しにと塗ってもらった手の甲を鼻元に持っていき匂いを確かめる。そしてこっそり舐めて味を確かめる。
香りは文句なし。味は…無味。まぁ…当然よね。でも十分及第点よ。
それにしても…私、暫くあそこには立ち寄れないわ。

「はぁ…。疲れたわ、早く帰って寝よ…」
私は疲労をヒシヒシと感じながら帰路についたのだった。

***

そして迎えたバレンタインの朝。
入江直樹ファンクラブの会長である私は、彼の学内での行動パターンは殆ど頭にインプットしている。
今日は木曜日。木曜は大抵早めに学校に来て図書室で調べ物をしている。

私は入江さんの来る時間を見計らって渡り廊下で待ち伏せをした。そして…見えてきた愛しい御方。

「あ、あの入江さん!おはようございます!!」

「桔梗か。…おはよう」

―嬉しいわ、どうせなら“幹”って呼んで貰いたいけれど、覚えてもらっただけでも有難い事よね。覚えてくれたきっかけが琴子っていうのがシャクだけど。

「あ、あの入江さん。今日が何の日かご存知ですか?」

「…バレンタイン……」

―そりゃ、知らない訳ないわよね。琴子は勿論、入江さんのお母様もこの日に相当な力を入れていそうだし。

「そうなんです。それで…私からも入江さんに、と思いまして。受け取って頂けます?」

「…。ありがとう」

思ったよりもあっさりと受け取ってくれた。多分、私が琴子の友達だからよね。
そうそう、大事な事言っておかなきゃ!

「それ、味は無いですけど苦くもないですから!!それじゃあ、失礼します。朝から失礼しました」
私は礼儀正しく挨拶をしてその場を去った。
引き際まで艶やかな私。…ほんと女の鑑!!

「…チョコレートが無味?」
入江さんがその後怪訝な顔で私の背中を見ていた事を、私は知らない――


***

翌日。
遅刻ギリギリで駆け込んできた琴子の首根を捕まえて私は彼女の全身を舐めるように見回す。

―ほんとに…今日はいつにも増してピッカピカね…

「な、なな何?モトちゃん」

「………」
クンクン。私は返事もせず、今度は琴子の鎖骨辺りに鼻を近づけ匂いを嗅ぐ。
仄かに残る薔薇の香り。そして顔を近づけた為に見えた、セーターに隠れた部分に拡がる無数の紅い痕。
すっかりご賞味頂いたようで…

「あ、あの///」

「琴子、私に感謝なさいよ。まったく、私ってなんて深い愛情の持ち主なのかしら…」

「…誰への…?」

「アンタは知らなくていいのよ!」



―恋と愛の違い?当然答えは人其々。
ただ一つ、私が確信している回答は、私の愛は入江さんだけじゃなく、この鈍感な女の子にも向けられているって事。
いつのまにか、私にとって入江さんと琴子はニコイチで大切な存在。
愛とはその行動が相手に起因するもの。
私の行動は…2人が幸せである事を願ってのもの。

こんな健気ないい女に、どうしてステディな人がまだ見つからないのかしら?
神様って、本当にイジワルよね。




・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

【the other side】

「ね~、入江君。今日はどれだけチョコ貰って帰って来たの?…うわ!またこんなに…。もう、受け取らないでよ!」

「勝手に研究室やらロッカー前やらに置かれてるんだよ!他の奴に迷惑かかるし、仕方ねーだろ」

「もう、妻がいるっていうのにどうしてこんなにモテるのかな、入江君は。うわ~、高級チョコがいっぱい!!」

「食いすぎるなよ」

「た、食べないもん!入江君が他の女の人からもらったチョコなんて!!」

「…あ、そういや女以外にも貰ったぞ」

「え!?ゲイ…?」

「桔梗だよ」

「なーんだ、モトちゃんか…って、え!?いつの間に?今日、私達ずっと一緒だったよ?」

「朝一番に貰ったんだよ。ああ、これだ」

「ふ~ん、まぁモトちゃんは入江君のファンクラブ会長だから、仕方ないか」

「そういやアイツ、変な事言ってたな」

「ん?」

「味はないけど、苦みも無いって」

「…変なの。中見てもいい?」

「ってもう開けてるし」

「あ、さすがモトちゃん。入江君好みそうな感じ。あれ…?一緒に入ってるこれは何だろう?」

「…ボディクリームだな」

「//////」

「…お前、桔梗に何か話したか…?」

「えっと、それはね、何と言うか…うっかり?で、でも事細かに何か話したとか、そんなんじゃないのよ!
入江君が苦いって言ったとか、そんな事ないから!!」

「へぇ」

「ご、ごめんなさい///」

「確かにあいつは勘が鋭そうだからな。お前のうっかりに直ぐに気付いたんだろ」

「そ、そうだよね。気にしない、気にしない…」

「…なぁ琴子?」

「な、なに入江君」


「折角の桔梗の気遣い、ちゃーんと試さないとな?」







勝手にバレンタイン企画第2段です☆

おバカネタでした^_^;

題名テキトーですいません。全然内容と合ってないし。寧ろこんな物理的お話全く理解できないし(>_<)
なんとなーく決めてしまいました。


16巻スキマ  コメント(2)  △ page top


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::No title
黒江様
こんにちは。
お越しいただきありがとうございます。
いえいえ、こちらが勝手にお知らせさせていただいた事ですので・・・!こちらこそ申し訳ありません。でも、コメントを残して下さったのがとても嬉しかったです。ご存知でいて下さった事も!!
暖かいお言葉、感謝します。これからものんびり書いていきたいと思います^^
編集 △ page top
::No title
コメントありがとうございます!

ヒロイブ様
こんばんは(^^)
良かった!何となくであってもどうしてもこのタイトルにしたかったんで、
これぞ相対性理論と言って下さる方がいて嬉しいです。
解釈違ってもいいんです♪そうそう、絶対HAPPYになるからね!です(^^♪

まあち様
こんばんは(^^)
おお、渡辺君と張る位にモトちゃんファンでしたか!私もモトちゃん好きです。
周りを良く見ていて、出しゃばるではなく相手をフォローする姿がとっても素敵(*^_^*)
あついまあち様、とってもいいです!!
松岡バージョンこれからも沢山みせてくだい(^^♪いよいよオリンピックも始りますしねww

miru様
こんばんは(^^)
モトちゃん視点のお話も良いと言って頂けて嬉しいです。ありがとうございます。
そして、余談だなんてとんでもないです。お恥ずかしい…(>_<)ありがとうございました。
修正しておきました。
現役の看護学生さんに読んで頂いているなんて緊張します。
病気云々のお話は私には力不足もいいところなので書かないと思いますが、状況的に病院のシーンを書くときは、せめて誤字の無いよう気をつけますね。

chan-BB様
こんばんは(^^)
chan-BB様に褒めて頂くとなんだかとっても嬉しくなってしまいます(*^_^*)
今回はとにかく軽快に!を意識していたのでなんとか成功出来たかな、と思えました!
うふふ、私も幸せなイリコトを読んで幸せになる怪しげなイタキスファンです(笑)
色々な形で幸せ表現出来るようになりたいです(^^)

藤夏様
こんばんは(^^)
ふふ、初めて投稿した作品ぶりのモトちゃん登場にご反応頂けてうれしいです♪
脳内再生(声付きww)ありがとうございます!
そうですよね、私もモトちゃんの頭の回転は相当のものだと思います。
琴子の何となく言った言葉や行動に、色んな事柄を察してフォローしてあげていそうですよね^m^
そして…私的にはおバカネタだったんですが(笑)
根っからの大阪人間なのですが、センス無いですね^_^;
藤夏様のドナルドダックは可愛かったなww(^^♪また、あんなお話も待っています☆

無記名様
こんばんは(^^)ありがとうございます。
ご期待に添えるよう頑張りますね。

繭様
こんばんは(^^)
繭様もモトちゃんファンだったんですね!
菩薩様ww(笑)
本当、モトちゃんは1で10を悟る女(男?)です!!
フォローもさりげなくて、私もこんなお友達欲しい♪
直樹は…やっぱり男としてみてるんですかね?うーん、難しい^_^;
きっと、男女の垣根は取り払って、人間として認めてるって感じなんでしょうね!
そして、プレゼントの御礼はきっとウィットに富んだ科白で言っている事と思います(^-^)
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