::As well be hanged for a sheep as a lamb.
ご ご無沙汰してしまってすみません・・・!
せっかくのイタキス期間なのですが、合同本の作業ですっかり潜伏中であります^^ゞ
文章でえろ書くのも大変ですが、絵で表現しようとするとさらに大変です。心折れそうになりながら頑張ってます(苦笑)
そんな毎日ですが、あっというまに今日はハロウィン当日ではないですか!

ということで、イラストは事前に準備していたので今日小話もササッと書いてみました。

いちおうお祭り期間の記事という事でバナーを貼らせて頂きます☆



前置き長くなりましたが、お付き合い下さるかたは続きからお願いします!







・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・




リビングのドアを開ける前の異様な静けさ。
その後パンパーン!と鳴り響くクラッカー音と頭にふりかかる紙テープや紙吹雪。

四季を通して度々立ち会うこの儀式にはもうとうに慣らされた。
歓迎しているわけではないが、甘んじて受け入れるくらいの心の広さをもたざるを得なくなったのだ。
こと、琴子と出会ってからというもの。


琴子と出会った頃にはまだ全国的にはさほど認識されていなかったのに、ここ数年のうちにすっかり大きなイベントと化したもの――ハロウィン。
イベントとして取り上げるのがわりと早かった自宅界隈は、ハロウィン当日より前倒しでこども向けにお菓子ラリーや仮装コンテストが行なわれていたようだ。
それを目を輝かして眺めていた琴子とお袋がなにやらまた計画を練っているのは何となく気付いてはいたのだが放置していた。どうせいつもの事だと。

それが間違いだった――。

気付いた時には既に時遅し。
頭や肩に引っ掛かった紙テープやらなんやらを払い除けつつ前方を見遣ったおれは思わず絶句した。


「琴子・・・何を血迷った格好をしてるんだ!?」

漸くそう口に出せばまるで動じずにくるりとその場で一回転してみせる。

「もぉー入江くんったら、血迷っただなんて~。うふふ、なかなか可愛いでしょ?」

そういう琴子は胸元が思い切り開いたピンクのドレスを身に纏っている。

「迷ったけど正統派にお姫様にしてみたの」

「何をどう解釈したら姫のコスプレがハロウィン仮装の正統派なのか分からないけど」

間髪を入れずに冷たく俺がそう言い放ったのは、琴子の後ろに控えてる面々のせいだ。

「いらっしゃい。盛り上がってたようでなにより」

「「入江さ~ん、お邪魔させてもらってますーー」」

おれの愛想に見事に声をはもらせて挨拶をしてきたのは看護学科で琴子と同じ班の桔梗と品川だ。

「こんばんは。今日はパーティーにお誘い頂いて光栄です」
控えめに挨拶をしてくるが、手元にはカボチャとナイフを手にジャック・オー・ランタンを絶賛製作中だったらしいのは、ある意味この中で一番強烈なキャラをもっている小倉。

「・・・どうも」
最後にふてぶてしく頭を少し下げたのは鴨狩だ。

「ふーん。似合うんじゃねーの、吸血鬼」

鼻をならして言ってやったのは、奴が黒いマントをつけて牙ととんがり耳を装着していたからだった。
おれの言葉に鴨狩はカッと顔を赤らめる。

「こっ これはお前のかーさんが全員に着て欲しいって準備をしてたから仕方なくだな・・・っ」

「ふふ、似合ってるわよ~~。鴨狩くんも皆も」

鴨狩の気持ちを知ってか知らずか、おふくろの顔はドヤ顔そのものである。

「ありがとうございまーす♪」

「こういうの、着てみたかったんです~」

「あ、あたしもあたしも!」

他の奴らはノリノリで仮装をしていたようでそれぞれ個性にあってるっぽい格好をしている。

「じゃ、ゆっくり楽しんで。おれは失礼するよ」

これ以上付き合う気もなく、おれは早々にその場を辞そうとした。
が、シャツの裾をむんずと掴んだのは琴子だ。

「ま 待って!入江くんも一緒にパーティーしようよ」

「冗談。こんな仮装集団の中にまみれたくないね」

「それは大丈夫!ちゃーんと入江くんの衣装だってあるよ!」

「・・・。」

こちらの皮肉に気付かずパッと目を輝かせると、持ち前の押しの強さでぐいぐいとおれを部屋の奥に引っ張っていった。

「じゃーん!見てみて~~まだまだ沢山あるの~~」

手で指し示したそこには、一体どこから仕入れてきたのか貸し衣装店ばりに様々な服がハンガーラックにずらりと吊るされていた。
しかし――、そのラインナップのひどさといったら・・・。

「とりあえず――、お前がその衣装選んだ理由がよく分かったよ」

「そ、そうなんだよね・・・。お義母さんってばすごい衣装もけっこう用意してくれててね」

おれの呆れ声に琴子さえ苦笑いするのはむりもない。
残っている衣装は健全なパーティー用のそれとは明らかに異質の代物たちばかりに見えた。
あとはあえては選ばないであろう着ぐるみの類。
おふくろの奴・・・、選ばせる振りして実質は参加者全員に予め専用の衣装を選んでいたに違いない。

「えーっと・・・、でも入江くんが着られそうなのはこれくらいかな・・・?」

やがてハンガーをガチャガチャと動かしていた琴子が一着を掴みこちらに見せてきた。

「勘弁しろよ。おれは絶対着ないぞ」

「あ~~ん、そんな事言わないで~~!!ね、ねっ」

そっぽを向くおれに琴子がまとわりついてくる。さらには衣装をおれの眼前に突き出してきた。

「王子様の入江くん、きっとすごくすごく素敵だと思うのっ。だからお願い!」

「やだね。こんなコテコテの趣味悪いヤツなんか着られるかよ」

「あ~ら、そう?残念ね~」

と、そこに割り込んできたのは言わずもがなのおふくろ。

「琴子ちゃん、お兄ちゃんはどうしても嫌みたいだわ」

「はい・・・」

「そんな顔しないで、ね?」

「・・・。」

―おかしい・・・。
やけに物分りが良くておれは怪訝におふくろを見据える。
一体なにを考えてやがる・・・?

するとそんなおれをおふくろがちらりと見た。そして後踵を返す。

「あ、そうだわ。琴子ちゃん、それならこっちにチェンジしましょうか。ほら、最後の最後まで迷ったアレ・・・」

ハンガーラックを確かめながら一着の衣装を取り出して琴子に差し出した。

「なっ なんだよそれ!?」

「なんだよ?って、琴子ちゃんが最後まで悩んでいた衣装の候補よ」

思わず目を見開いておふくろからハンガーを奪ったおれにしれっと返事をする。
手にしたハンガーには、尻の部分に黒の長いしっぽがついた超ミニスカとビスチェのセットアップがぷらんと引っ掛かっていた。

「黒猫ちゃんコスも可愛いけど、お兄ちゃんと夫婦で着るなら王子様とお姫様がいいって話してたんだけどね~~」

「はい・・・。でも、仕方ないですね・・・。入江くん、どうしても着てくれなさそうだし・・・」

「一人のお姫様なんて寂しいに決まってるわ。だから琴子ちゃん、こっちにチェンジして気分変えましょっ」

「・・・そうですね。分かりました、ありがとうお義母さん。入江くん、ごめんね我がままいってお願いしちゃって」

琴子は悲しそうな目をしつつも笑顔を作っておれからネコスプレ(←?)を受け取ろうとする。


「・・・待てよ」

おれは眉根を顰めながらもそう言うしかなかった。

「入江くん・・・?」
「なぁに?お兄ちゃん」

琴子とおふくろのキラリとした眼差しがこちらに向けられる。
が、その色は対極だ。

「それ、着替えるの面倒だろうが。だったら――」

苦虫を噛み潰すような思いで代替案を口にする。
クソ、またしてやられた!
琴子の純粋さとおれの性格を完全に把握しているおふくろの用意周到な策略に、おれはたいてい白旗をあげることとなるんだ――。




そんなこんなで琴子のネコスプレ(しつこい)を阻止した王子――おれは、リアルで魔女のようなおふくろの指図により、趣味の悪い衣装を着て数時間の苦行に耐えたのだった。
記念撮影と称してまたどこぞの舞台セットかと思わせる椅子に座った琴子の傍に跪くようなポーズをとらせられる。

「「「きゃああ~~」」」

「入江さん、ステキッ!!」

「琴子、ずるいわよ!代わりなさいよ~」

「へへ、だめー」

煩い看護科連中と琴子の会話におれはますます目が釣りあげっていきそうだ。

「・・・ぷっ」

おい、鴨狩テメー、今のしっかり見てたからな!?あとで覚えとけよ。

「いいわよいいわよ~。はい、じゃあ撮るわよ~」


「「「「「トリック オア トリート♪」」」」」

ハロウィン2014

ふざけた合図でシャッターが切られる。
ったく、迷惑なパーティー行事が増えたもんだ。


「入江くん、ありがとう!一緒にお祝いしてくれて」

うんざりした顔のおれに琴子が嬉しそうに話し掛けてくる。
椅子に座った琴子を見上げるおれは王子というよりどこか家来のような気分になる。
毒を食らはば皿まで、だ。


「さて、お姫様」

デジカメのプレビューに沸いてる連中の傍でそう囁くと琴子は「やだぁ、入江くんったら。お姫様なんて」と恥ずかしそうにはにかんだ。

おれはその手をとり唇をよせる。

「せっかくこうして傅いたんだからとことんやらせてもらおうとと思うんだけど、どう?」

「とことん・・・?どういうこと?」

「『Trick or Kotoko?』ってこと」

無垢な姫のように首を傾げる琴子を見上げ、不敵に笑ってやる。
あえてそれ以上の説明はしない。

どうせあとでいやほど体感するだろうからな――。






お付き合いありがとうございました^^

あとがき・・・することないな(笑)
皆様楽しいハロウィンをお過ごしください♪

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::Re:たまち様
こんばんは。
もうハロウィンなんて遠い昔のように感じる今日この頃。今さらのお返事で大変申し訳ありません!
目を通してくださればいいな~と思いながら^^ゞ

このイラストについてはたまちさんには先行でポスカをお送りさせて頂いておりましたが、こんなお話を後付で書かせて頂きました☆
貸衣装やさんも真っ青のラインナップのコスプレを用意するのは、紀子が生粋のパーティ好きで、パーティをさらに盛り上げるためなのは勿論だと思います。
が、どっちかといえば直樹をけしかけてラブラブにさせようって方がメインなんでしょうね(笑)

もっとも直樹が簡単に乗るはずはなく、でもどうしたら渋々でも付き合うかはもうすっかり把握しております。
はい、彼女の方が一枚どころか二枚も三枚も上手ですよねww
そしてやけになった直樹さんは琴子に慰めてもらうのです!爆!

そんなお約束のドタバタなお話でしたが楽しんで頂けてなによりです。ありがとうございました。
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::Re:みゆっち様
こんばんは。こちらにもコメントありがとうございました♪
ハロウィンの記事UPはみゆっちさんがいっぱい背中押して下さったからなので本当に感謝!!

いやん、ここにも鼻血ブーの方が!≧▽≦ありがとうございますっ仲間ですねww
うんうん、怒られるの承知で入江くんにはとっても似合うよ!って言ってあげたいですよねww
最強よー!と叫ぶみゆっちさんに紀子ママが憑依するのを見たような気がします(爆)

さておまけ的なお話でしたが、こんな酔狂なパーティーに付き合ってくれるなんて、入江くんもほんとに大人になったもんだ!
ま、女子会だったらまだしも啓太が居たら琴子の美脚を披露させるわけにはいかないですよね。
裕樹くんにさえ牽制する心の狭い男ですからww
なんて、阻止するためならコスプレも厭わないこの愛情には私も萌えですっ。
やはり萌えのツボが合いますね♪嬉しいわ~(^m^)

こちらこそ、お忙しいのにコメント下さって嬉しかったです。ありがとうございました!
コメント拝読しながら心ほっこりさせてもらってました♪
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::Re:ねーさん様
こんばんは。
こんな遅いリコメで申し訳ないです。読んで下さっているといいのですが^^ゞ
行事の時になんとか出没するのがやっとの体たらくであります。

イラストまでついてるとは・・・というよりは、イラストありきでした。
イラストオンリーで出そうかとも思ったのですが、唐突過ぎるので適当に作ったお話です(苦笑)

ネコスプレはイラストでは描く予定ないので、ねーさんさんのご想像で是非補完お願いします(笑)
本も楽しみにしてくださって感謝してます。がんばります。
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::Re:紀子ママ様
こんばんは。
めちゃ遅いコメントの返信で目を通してくださるかな~と思いつつ・・・>_<すみません!
更新して間もないコメントありがとうございました。
そして本の製作の方で苦しんでいることへの労い、楽しみにしているとのお言葉、本当に感謝です!
とにかくせっせとやれる時はパソコンに向ってる感じです☆

さてハロウィン・・・もうとっくに終わってしまいましたが^^ゞ
リアル魔女な紀子ママ(これ、本当にそう思いながら書いてました・笑)の手に掛かればいくらワンパタとはいえ勝てない直樹ですw
ちょろすぎてほくそ笑んでる・・・まったくその通りだと思います。
それだけにイライラもMAXで、あとで琴子ちゃんに慰めてもらうのでしょう(笑)

王子コスプレの入江くんに傅かれたら私も鼻血出してぶっ倒れます!
貧血女子多発で大変ですね。もはやテロww
変なコメント入ってしまいましたが、楽しく読んで下さったのがわかり嬉しかったです。
ありがとうございました。
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