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::The Gift of the Magi ~ I send you the bouquet with love.~【上】
3月、卒業シーズンですね。
このシーズンに書かなくてどうする!?という事で、またまた企画モノです♪

そして今回は、なんと合同企画!!
chan-BBさんにLOVEコールを送って実現しました(^^♪

卒業といえば、間違いなく2つのエピソードが浮かびますが、今回はコミック⑲の入江君の卒業をテーマに書かせて頂こうと思います。

ぴくもんが琴子目線、chan-BBさんが直樹目線となって、この時の2人のお話を書かせて頂きます。

リレー形式に、先ずこちらをUPさせて頂きます。
chan-BBさんがこれを見て、Answer storyを描いて下さいます。
それを見て、また私が書く…という予定です。

本当に説明が下手で、申し訳ありません(>_<)
不確定要素の多い企画ですが、暖かく見守って頂けると嬉しいです。宜しくお願いしますm(__)m

3月18日追記

chan-BBさんがこの話の直樹ver.をUPして下さいました(^^♪
作風を私に合わせて頂くという申し訳ない事をしてしまいましたが、そこはchan-BBさん!!
がっちり受け止めてもっと高いトスを上げて下さいました(^-^)

つまり、私はさらに自分の首を絞めてしまった訳です(笑)
でも、前進するのみです!!頑張りますw

それでは、下にchan-BBさんの作品のリンクを貼らせて頂きます☆
宜しくお願いします

The Gift of the Magi ~She is always walking ahead. ~(上)1/2


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・



春分の日より少し前から、随分暖かくなっていたここ数日。
夕方ごろから気圧配置が一時的に西高東低になるので今夜は花冷えになると、天気予報でキャスターが言っていた。
ここ、リビングの扉の向こう側の廊下は冬を思い出させる寒さで、スリッパを履いていても冷たさが素足に伝わって来る。でも、私の顔は今とても熱かった。瞳から熱い涙が溢れ出て止まらなかったから…


――どうして私は、いつも貴方の気持ちを疑ってしまうのだろう。
ううん、疑っているのではない。
ただ、いくら自信を持てと言われても、私の気持ちの方が貴方よりも大きすぎるとどうしても思ってしまうから。
貴方の態度がクールだからではない、言葉が少ないからではない。
もうこれは…一種の病。

ごめんなさい。貴方はこんなに私の事を考えてくれているのに、私は自分の気持ちにいつも精一杯で。
…そんな悲しい表情をさせてしまって。


私はスリッパの音をたてないように再び階段を上がり、寝室に入るとベッドの中に潜り込んだ。
熱い涙は止まらなくて、瞑った目尻からとめどなく流れては枕を濡らす。

寝室のドアノブが静かに回される音がする。私は涙を隠すように、身体を横に向けた。
背中側に一瞬冷たい空気が入って来て、隣のスプリングが少し沈んだ感覚が伝わった。
やがて冷たくて大きな手がこちらに近づき、涙に濡れた後乾いて固くなっていた私の髪に優しく手櫛を通す。

私は眠った振りを続ける。…ごめんなさい。明日目が覚めたら、その時にはちゃんと前を向くから。
入江君…大好きだよ――


***

早朝。
私はいつになくしっかりと目を覚まし、身体に回されているその逞しい腕をゆっくり解いてそっとベッドから抜け出し、静かに身支度を済ませた。

「おはようございます」

「あら、琴子ちゃんおはよう。早いのね。…どう?今朝は少しはご飯食べられそう?」

おかあさんは心配そうに私を見つめてくる。…多分、いつにも増して、私の目は腫れあがっているのだろう。

「はい、ちゃんと食べます。それから…ここ数日はすいませんでした。ご飯は残すし、お手伝いも…」

「いいえ、いいのよ。琴子ちゃんをこんな風にさせてしまったのはお兄ちゃんなんですもの。本当に…ごめんなさいね…?」

「いいえ謝らないでください、謝らなければいけないのは私なんです。…おかあさん、私、気持ちの整理つきました。直樹君の言う通り…こちらで勉強をして、きちんと資格取ります」

「琴子ちゃん……」

「あの、おかあさん。実はお願いがあるんです。私がこちらで勉強するって決めた事、まだ直樹君には言っていないんです。明後日…卒業式の日に、ちゃんと言おうと思ってます。それまで、この事は黙っていて頂けますか?」

「…ええ、分かったわ。琴子ちゃんの口から話すのが一番ですもの」

おかあさんの表情が少し柔らかくなった。私は、おかあさんにも沢山心配をかけていた事を痛感する。

「それから…あともう一つお願いがあるんですが…協力して頂けますか?」

「勿論、大事な娘の琴子ちゃんのお願いですもの!」

おかあさんの言葉が私の心を暖かくしてくれる。私はなんて幸せ者なんだろう。当たり前になりすぎて…こんな事も忘れかけていた。
私はおかあさんに問いかける。

「おかあさんってお花の師範免許、持っていらっしゃいましたよね。フラワーアレンジも出来ますか?」

「ええ勿論。でも琴子ちゃん…、それが一体どうしたというの―?」

おかあさんの至極当然な疑問に、私はにっこり笑って、計画を話し始めた……



***


3月25日。斗南大学第28回卒業式――

いつもと変わり無い、出来たての朝食の美味しそうな匂いがする入江家の食卓。


「お兄ちゃん、今日はまた答辞を読むのよね。後でビデオ持って行きますからね」

「ったく、大学の卒業式まで来るなよ。じゃ、俺そろそろ出るから」

「あ…入江君、待って。私も一緒に行く…!」

「お前、今から行っても早いばっかでやることねーだろ」

「で、でも…!」

早々と朝食を終えて席を立とうとする入江君に、私が慌てて椅子から立ち上がると、おかあさんが私を援護してくれる。

「ちょっとお兄ちゃん!最後の通学を一緒にしたいっていう妻の可愛い願い位叶えておやりなさい!あぁ、どうしてこんな無神経になれるのかしらっ」

「ハァ。…ほら、早く用意しろよ」

「あ…う うん!」

リビングの扉に手を掛けている入江君の背中を私が追おうとすると、おかあさんが更にそれを制止する。

「2人とも、少しお待ちなさいな。さぁ、そこに立って」

そう言うおかあさんの手にはいつの間に購入したのか、最新の一眼レフのデジカメが構えられていた。

「記念の日ですもの。ほら、ここであっつ~い2ショット撮りましょ♪」

「お、おかあさん…」
「…ったく……」

私達はそれぞれ、いつもと同じ反応を示しながらもその場に並んでレンズを見つめる。

「あんもう、2人とも表情が固いわ。お兄ちゃん、もっと琴子ちゃんに寄り添いなさいな」

「い、いえそんな――」

思わず赤面しながら断ろうとする私の肩を入江君がグッと引き寄せ、顔を私の頭のすぐ傍に近づけた。

「これでいい?」

いいわ、いいわ!と、おかあさんは嬉々としてシャッターを何度も切る。

「…どうしたの?入江君」

普段は本当にこんな事、嫌がるのに。私はレンズから視線を外して入江君を見上げた。

「…別に。ほら、前向いて笑えよ」

「う、うん…!」

私はもう一度レンズをしっかり見て、そしてにっこりと笑った。



大学の最寄り駅で降りた私たちは、2人並んで桜並木を歩く。
冬型の気圧配置はすっかり弛んで、今日は穏やかな春の陽気。見上げる空の青さは私の静かな決心を応援してくれるかのように、どこまでも澄んでいる。

「入江君、懐かしいね。入学式の時もこうして2人でこの道を歩いたんだよね」
 
「そうだったかな」

「うん。まぁ…あの時は、私が入江君について歩いていたって感じだったけど」

私のセリフに入江がクスリと笑う。


「入江君と今日、ここを一緒に歩けて良かった」

「……あぁ」

「ねぇ、あのね、入江く…」

深呼吸して私の決意を話そうとした時、後ろから姦しい声が聞こえてきた。

「「「琴子~!入江さ~ん!!」」」」

アスファルトに軽やかなハイヒールの駆ける音が聞こえ、私たちは振り返ってその音の主たちが追い付くのを待った。

「おはよう、みんな。早いんだね」

「おはよう琴子。だって入江さんが卒業するんですもの、当然よっ。今日は仲良く通学なのね。入江さん、ご卒業おめでとうございます」

「「おめでとうございます」」

モトちゃんが艶やかに笑って入江君に祝福の言葉をかけると、真理奈と智子が口を揃えて後に続く。

「あぁ、ありがとう」

入江君も少し笑ってそれに応えた。私は言い掛けの言葉の行き先を失い、心の中で溜息をついた。

「入江さんが大学に居なくなると思うと寂しいです」
 
「本当。何だか楽しみを何割か奪われた感じ」

「そう?きっと試験に向けて忙しくなるだろうから、直ぐになにも感じなくなるよ」

軽いやり取りがされる中、私は何となくその輪に入れずにいた。
そんな中、ゆっくりと歩いてこちらにやって来た啓太が、私を見かねたのか口を挟む。

「おい、お前ら。今日は琴子が入江と通学出来る最後の日だぞ」

「何よぉ。琴子は家に帰っても会えるじゃない!って言いたいところだけど…そうも言えないわね」

「そうね…」

モトちゃんの言葉に皆押し黙ってしまい、何とも言えない空気がこの場に流れる。
急にしんみりしてしまった雰囲気の中、入江君がすっと腕時計を確認して言う。

「俺、これから教授に呼ばれているからここで失礼するよ。琴子、…また後で」

「あ…う、うん」

「それじゃ」
軽く右手を上げると、入江君は振り返ることなく教授室に向かって歩いて行ってしまった。
取り残された私を4人が気遣うように見てくる。

「さっ、私もちょっと行きたい所があるから。皆、またあとでね!!」

私はそう言って、皆から離れた。
行きたいところ…沢山ある。ここには、入江君との思い出が数え切れないほど刻まれている。






文学部と理工学部の分岐点。いつもここで入江君の背中が遠くなるのを見つめ、我慢できない時には尾行した。


この薄暗い廊下の先は、テニス部入部の時に尾行をまかれてうっかりに入ってしまったアニメ部がある。
こんな所が思いでなんて笑っちゃうけど、あの時の意地悪な入江君の顔、今でも忘れられないから。


テニスコートの方へ足を向けると、ボールがラケットのスイートエリアにあたる気持ち良い音が響いている。
入江君が来る事は殆どなかったけれど、来てくれた時にはいつも目が釘付けで、よく須藤さんに怒鳴られたわね。


よく外から覗いた図書室。たまに中に入って話しかけたら、いつも嫌そうな顔をされたなぁ。
入江君の読んでいる本はいつも分厚くて難しそうで。
そういえば…入江君がお医者様を目指しているのかもって初めて思ったのはこの場所だった――


構内アナウンスが流れ、卒業式がもうすぐ始まる事を告げる。

私は一旦想い出巡りを止めて、講堂へと足を向けた。


19巻スキマ  コメント(1)   トラックバック(0)  △ page top


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::拍手コメントありがとうございます
chan-BB様
改めてこの度は私のラヴコールに応えて下さってありがとうございます!!
もう、本当に色々爆走してしまいまして(笑)
それをがっちり受け止めて下さるchan-BB様は私にとって入江君のようです^m^(ってまた迷惑な発言!!)
また色々ご連絡させて頂くと思いますが宜しくお願いします!!
chan-BBさんの入江君、楽しみにしています(^-^)


匿名様
ありがとうございます!ご期待に添えるようがんばりますね(^^)

藤夏様
藤夏さんにそんな喜んで頂けるなんて…私の方こそ飛び上がって喜んでしまいます(^^♪
この企画が成立したのは本当にchan-BB様のおかげです。
実は、chan-BB様がブログを休止する前からお願いしておりました。琴子並みの執念で叶えさせて頂いた企画です(笑)
本当に素敵なコメントありがとうございます。勿体ないほどですが、嬉しいです!
私もこのエピソードは是非アニメでもやってほしかったです…。
写真、まさにその通りです!気付いて下さってありがとうございます(^-^)
暖かいお言葉本当に感謝します。頑張りますね♪

繭様
いつも素敵な、そして的確な読解をして下さってのコメントありがとうございます。
私もこの時、いやこの時に限らずでしょうが、直樹の方が色々な葛藤があったと思います。
でも…やっぱり琴子には言わないんですよね。
なんで?とも思いますが、やはりそれが直樹の魅力なんですよね。
思いがけず直樹の本音をしってしまった琴子の涙のシーンを共感して頂けて良かったです。
琴子の心の成長をこれから上手く表現できれば、と思います。


なおき&まーママ様
ウフフ、そうなんですよ!!chan-BB様、とうとう復活でございます(^^♪
早く戻って来て下さいとchan-BB様にしつこくしつこくお願いしておりました(笑)ほんと迷惑な奴…(^_^;)
スキップされるなおき&まーママ様、可愛い!!でもなおきくんは驚いちゃいますねww
リレー形式なので(って、これ私の暴走で決まったのですが(苦笑))
本当にどう進むか分かりませんが、ご期待に添えるよう、そしてchan-BB様の足手まといにならないよう頑張ります☆


りきまる様
こんばんは(^^)
本当に、このエピソードは琴子に直接ではないけれど入江君の素直な気持ちが話されていて、そしてあの素敵なKissのシーンと、私も大好きなお話です。
以前、chan-BB様ののブログが休止される前にUPされるお話を投票する時から、「このお話は復帰後にコラボして下さい!」とお願いしていました。この度実現できて私自身夢のようで…。
chan-BB様のお力添えで一人では出来ない話の膨らみ方をすると思います。
鮮やかな色に色づけ出来れば、と思います。
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