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合鍵

配布元…kara no kiss 様
50音・26文字お題よりお借りしています。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・







震度2の地震で我が家が倒壊してしまい、訳の分からないまま入江家にお世話になり始めて早7日目。
今朝も当たり前のように私の目の前には、新聞を読みながら朝食を摂る入江君が居る。



居候を始める時に、私が居ようがいまいが関係ないから、と言われて返す言葉も無かった私だったけれど、
一昨日おばさまに見せてもらった写真のお陰でやっと反撃のチャンスを掴んだのよ。
入江君を見返す為に、入江君に教えてもらって中間テストで100番以内を目指す私。
プライドがあるのか無いのかなんて 、そんな小難しい事は考えない事にしたわ。
とにかく…、こうして試験までの一週間、私は入江君に勉強を見てもらう事になったの。

早速昨日の夜から始めたんだけど、何が分からないのか分からないという私の状態が想像を絶するものだったらしく、「明日は帰ったらすぐに勉強始めるからなっ」とイライラした顔で言われたの。
…どうも完璧主義者みたい。ある意味不器用なのかも。


ぼんやりと入江君の姿に見とれていたら、急にぎろりと睨みつけられ、私は一瞬にして体が硬くなる。
入江君はガタっと席を立ち、ごちそーさまと言ってさっさとダイニングを後にした。

ふと我に返り、壁の時計を見ると長針は想像以上に進んでいて、私は慌ててご飯をかきこむと席を立ちあがった。


「おばさま、ごちそーさまでした!私もそろそろ出ますね!」
歯磨きを済ませてジャケットを着込んだ私は、家を出る前にダイニングに顔を出しておばさまに一声かける。
するとおばさまが慌てて私を制した。

「琴子ちゃん、ちょっと待って!あのね、今日私、午後から買い物に出かけるから家、留守にするの。
おにいちゃんと裕樹より早く帰ってきたら家に入れなくなっちゃうから…はい、これ♪」

おばさまがにっこり笑って私の手に載せたもの…この家の鍵。
私は可愛いスワロフスキーのビジューキーホルダーがついたその鍵を不思議な感覚で見つめた。

「まだまだここに住むんだから、琴子ちゃんも合鍵は持っておかなくちゃねっ」
おばさまはそう言ってウインクする。

「あ、ありがとうございますっ」
私は恥ずかしいような、嬉しいような…とにかくとてもくすぐったい気分で、その鍵を鞄の中に仕舞った。


***


午後の授業とホームルームが終わると、図書館で試験勉強に必要だから借りてこいと入江君に言われた本を借り、私は真直ぐ家路についた。
やっと少しだけなれた電車での登下校。電車通学もさることながら、閑静な住宅街の中にある入江家まではわりと傾斜のある坂を登らなくてはならず、学生鞄と資料の入ったサブバックを持ちながら歩くとけっこうな運動をした気分。
やっと道が平面になり、少し息の上がっていた呼吸を整えながら歩いていると、数メートル先のコンビニから入江君が出てきた。

「入江君!!」
思わず呼びかけると、入江君は一瞬ビクッとして、そして面倒そうな表情で私の事を見た。

「ったく、でかい声で話しかけるなよ」

「ご、ごめん…。入江君も今、帰り?初めてだよね。私より先の電車で帰ってるなんて」

「…じゃなかったらこの格好でいる訳無いだろ?」

冷めた声でそう言うと、入江君はさっさと背を向け歩きだす。
…確かに。家に帰っているのに、学生服で鞄まで持ってコンビニには来ないわよね。

帰る場所が同じだから、当然私は入江君の背中について行くように歩く事になる。

「ねー、コンビニで何買ってたの?」

「…小腹減ったから、コーラとポテチ」

「…わぁ、なんだか意外。入江君にそういうお菓子って、全然イメージ合わないよね」

「アンタの偏見だろ」

「だって、いつもおばさまが美味しいクッキーとかケーキとか出してくれるじゃない?」

「俺は甘いものは食べないのに、勝手に出すんだよ。今日は居ないからせいせいするね」

「そんな言い方…って、あ、そうだ。今日、おばさま家居ないんだね」

朝の事をやっと思い出した私。鞄を軽く振ると、鍵とキーホルダーがぶつかってカチャカチャと音が鳴った。
そうしている間に、私たちは入江家に到着する。

ずっと私の前を歩いていた入江君は、当然先に門戸をあけて外階段を上る。私も小走りで駆け上った。
ドアを開ける為に鞄から鍵を取り出す入江君を、私は止めた。

「あ、待って!私が開けたいっ」

入江君は怪訝な表情を見せる。私はニッと笑って鞄から合鍵を取り出した。

「ジャーン!!」

「…なに威張ってんだよ。持ってたのか?」

「ふふん、今朝おばさまが渡してくれたの♪」

私は得意げにその鍵を差し込んでドアを解錠する。

「へーえ。ま、ここに居る間だけの話だし。変な事に使われる心配はないかな」

「なっ!変な事とはなによ!!人を犯罪者のようにっ」

「頼むな。迷惑防止条例違反とかしないように」

入江君はさっさと玄関を上がると、スタスタと階段を上って行く。

「もうっ!失礼しちゃうわ…」

鍵をかけて私は靴を脱ぎ揃える。しゃがんだ態勢から立ち上がる時、…ふと閃いた。


―― 鍵の無い私の為に、早く帰って来てくれたーー?

私は部屋に入ろうとしている入江君に声をかける。

「ねー、コーラとポテチ、一緒に食べながら勉強しようよ!」

「やだね。ってか手、汚れるだろ。15分後、勉強始めるからな」


そう言うと、部屋の扉のしまる音が聞こえた。


「ちぇー」
私は形ばかりに呟く。
だって私はコーラは飲まないし、入江君も今コーラが飲みたかった訳じゃない。

私はリズムに乗るように階段を駆け上った。
指にひっかけている合鍵のキーホルダーがカチャカチャと音を立てた。





まず一つ目(^^♪
うん、なんだか新鮮です!!
取りあえず、週の中日にこの時間まで起きている事だけが気がかりです。
そろそろねます。おやすみなさい☆


コメントの投稿

secret

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comment

mill様、コメントありがとうございました!

こんにちは。はじめまして!
ソウ様のサイトから来て下さったとの事…、ありがとうございます!!

この頃の入江くん、いいですよね!
そしてポテチへのご賛同、ありがとうございます♪
確か書いた時に、夜神 月もポテチ食ってるのだから入江君だっていいだろうとか思いながら書いた記憶があります。

…ところでmill様とは、あのmill様ですよ…ね?
しょっちゅう遊びに行かせて頂いています!チャットも宜しければまた参加させてくださいね(*^_^*)

はじめまして!

はじめまして。
ソウさんのところからお邪魔しました。millと申します。
高校時代のツンツン入江くん、イイですねー!
入江くん、ポテチ意外と食べてそうだなぁと思いました♪
では、またお邪魔いたします~!

拍手コメントありがとうございます

藤夏様

こんばんは♪
そうなんですwwはじめちゃいました(^^♪
短文でのんびりクリアを目指したいと思います!
藤夏様、考えてみられたのですね!!
題名からイメージは苦手かも…との事ですが、私は藤夏様のお話に付けられる題名にいつも膝をバシバシ叩いています^m^
前なんて…歌流れましたしwwしかも、藤夏様も同じだったと知って勝手に親近感を持ってしまったり…!!
合鍵の「ジャーン!」、言いそうですよね…?
はじめに思い浮かんだのがこのシーンなんです(^-^)
頷いて頂けて嬉しいです♪

maro様
こんばんはwwお久しぶりです!!
本当ですか?気に入って下さってすごく嬉しいです^m^
そうだ~、一度はこの鍵、返しているんですよねぇ…うぅっ(T_T)
そんな悲しい時のお話も一度書いてみたいなぁ…!
おかしな思考って!!(笑)そんな事ないです。投稿サイト様の新作もニヤニヤしながら読ませて頂きました♪可愛い嫉妬は大歓迎ですww(^^♪
高校生イリコトへの頂いた表現(効果音!!)が可愛くて幸せな気分になりました!
次はリレーの方頑張ります☆

chan-BB様

こんばんは(^^)
お題始めちゃいました!!
そうなんですよ。お題サイト様を渡り歩いて…1時間位は探したかも…、やっとこさで決めました~(*^_^*)
これからのんびりとクリアしていきたいと思います♪
友達未満な2人、読み返すと新鮮ですよねww
次はリレーを書きます!!また宜しくお願いします(^^♪
あ…、睡眠はちゃんと取りますね!!(笑)

繭様

こんばんは(^^)
うふふ、また青いお話書いちゃいましたw
合鍵、確かにそちらも考えました!!でも、先に思いついたのがこちらだったので(^^♪
そうそう、私が書くと直樹はいつも優しい(笑)
はじめから直樹は、芯は優しい人だと思って止まない気持ちが前に前に出てしまっているのかもです(^_^;)
もう開き直りです。リアルな直樹は他の素敵なサイト様にお願いしてしまおうと…(苦笑)
たしかにwwこれはあくまで琴子が勝手に予想しただけです!直樹は案外素で早い帰宅だったのかも…!!


コメントありがとうございます

なおき&まーママ様
こんばんは(^^)
そうなんですww頂いたアドバイスを素直に実行させて頂きました♪
おそらく短編ばかりになるかと思いますが、楽しい修行になりそうです^m^
食わせましたか!!いやぁ、それは是非、また見に行かせて頂きますね☆
理由をこねくり回す(笑)そうそう、そんな感じですよね!
直樹の自分でも意識していない優しさに触れて、琴子も諦める事無く追いかけ続けたのかもしれないですねぇ。なおき&まーママ様のコメントを読んでそう思いました!

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