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::盗み聞き
配付元…kara no kiss様
50音・26文字お題よりお借りしています。
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※ 【誘惑】の続編設定で書かせて頂きます(*^_^*)


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いつもより乱雑に引かれたカーテンの隙間から洩れ入る太陽の光で琴子は目を覚ました。
今日は自分だけが日勤なので目覚ましをかけていたが、それより早く起きたらしい。
身を起こし、まだ半分も働いていない頭を軽く振ることで意識を覚醒させようとする。

隣に眠る直樹の姿が目に止まった。
シーツから出ているその腕は均整のとれた筋肉が隆起している。どちらかといえば色白の肌で美しいが、その質感は琴子のそれとはまた別物の男性の肌。

少し見とれていた琴子であったが、不意に感じた部屋の冷気に秋の気配を感じ、シーツを引っ張って直樹の肩の辺りまで被せてやると自分はそっとベッドから降り、静かに身支度を整えた。


キッチンに入った琴子はコーヒーを淹れる為に薬缶に火をかける。そして湯が沸くまでの間に部屋のカーテンを開け、窓を開けて空気を入れ替えた。
時刻はまだ6時過ぎだが天気の良い初秋の朝、リビングには明るい光がさんさんと差し込み、琴子はその眩しさに一瞬目を細くする。

何とは無しにソファに目をやった琴子は、昨夜の事をふと思い出したちまち顔を赤く染める。


― そ、そうだ/// 昨日、私…入江君とここで――!!

昨日外で食事をして少し酔っていた2人はこの場でそのような雰囲気になり、そのまま身も心も流されたのだった。
昨晩は2人きりであったし、その場にはもう特に何の痕跡も残っていない。それでも調光をぎりぎりに絞った昨夜のこの部屋と今朝、清々しい自然光が射すそれとのギャップに琴子はとても落ち着かない気分になる。


「そ、掃除でもしたらちょっと落ち着くかも・・・」

うん、そうしようと一人ブツブツと呟きながら、琴子は湯の沸きかけた薬缶の火を消し、掃除機をかけ始めた。


「・・・・・・」

スイッチを切った琴子の視線は今再びソファを捉えている。
部屋の隅々まで丁寧に掃除機をかけたものの、やはり気になって仕方がないのだ。

「あ、そうだわ!」

琴子はポンと拳を掌で打つと、いそいそとバケツを用意し雑巾を絞った。
そしてせっせとソファをを水拭きし始める。いつしかその作業に没頭していた琴子の耳に声が聞こえてくる。


「おい、朝っぱらからなにしてんだよ」

「な、なにって…。昨日汚しちゃったかも///と思ったから拭いてるんじゃない」

「ったく相変わらずだな。どんくさいやつ」

「ち、 ちょっとそれはないんじゃない!?元はといえば入江君が昨日―― 」

思わず水拭きする手を止め、声のする方へ顔を向け、琴子は慌てて言葉を噤んだ。

「…お兄ちゃんがなに?」

「ゆっ、裕樹君!?」


そこには合宿に行って居ないはずの裕樹の姿があった。


「な、なんでここに裕樹君がいるの!?合宿は!?」

「別に合宿って言ったって、受験対策の一環で学校でやってるだけだからいつでも戻れるんだよ。 今日は着替えを取りに戻って来ただけ。それにしても鈍くさい奴、どうせお菓子でも食ってて溢したんだろ」

「ち、ちがっ…!!」

思い切り否定したい気持ちはやまやまなのだが、理由を聞き返されても困る事に気付いた琴子の反論は宙に浮いた。


「なんだよ、やっぱりそうなんじゃないか」

裕樹がニッと笑って畳みかけてくる。



「…騒々しいと思ったら裕樹、帰ってたのか」

「― お兄ちゃん」
「― 入江君…!」

リビングに入って来た直樹の声に同時に反応する裕樹と琴子。

「おはよう、お兄ちゃん。ったく琴子、昨日もドジしたんだね。ソファ汚したから水拭きしてるって今聞いたとこだったんだ」

「よ、汚したんじゃなくて、汚したかもよ///!!」


「……」

裕樹と琴子の話や表情で大体の事が呑み込めた直樹は少し楽しそうな目で琴子を見ると、キャビネットを開けて革用のクリーナーと保護クリームをとりだした。

「あとはおれがやっておくから、琴子コーヒー淹れて」

「え?あ、う うん」

琴子は差し出された直樹の手に雑巾を渡すと、キッチンに入ってコーヒーの準備をはじめた。


「お兄ちゃんが琴子のドジの尻拭いなんてしなくても、後でやらせればいいのに」

琴子が用意している間に黙々とソファを拭く直樹を不思議そうに見ながら裕樹が言うが、直樹は少し楽しそうにすら手入れをしている。


「…お兄ちゃん?何か、楽しそうだね」

不思議そうに問いかけてくる裕樹に直樹はクスリと口角を上げる。

「そう見える?…いや、昨日は琴子だけのせいじゃなかったからな。なぁ琴子?」


返事の代わりに、キッチンからコーヒー豆の入った缶が床に落ちる音が大きく響いた。



* * * * * * * * * * *



「じゃあ僕、そろそろまた学校に戻るよ」

琴子の淹れたコーヒーを飲み干した裕樹が椅子から立ち上がった。

「あ、裕樹君、ブレザー忘れてるよっ」

ソファの背もたれに無造作に置かれた裕樹の制服のブレザーを取ろうとして立ち上がった琴子に、裕樹は「部屋に着替えを取りに行った後取りに来るからいい」と言ってそのまま扉を閉めて行った。


リビングの中には琴子と直樹だけとなり、室内にはコーヒーの残り香が漂っている。


琴子は手にしたままの裕樹のブレザーをもう一度背もたれに置き直すと、先程直樹が拭いていたソファの座面を手に触れてみる。


「…もう座っても大丈夫かな」

「― ああ、もういいんじゃない?」


読みかけていた新聞を畳んで席を立ち、同じようにソファを確かめると直樹はクスリと笑ってそこに腰掛けた。


「もう、入江君ってばさっき裕樹君の前であんな事言うから…ドギマギしちゃったじゃない///」

隣に腰をおろして少し睨みながら直樹に話しかける琴子に、直樹はニヤリと笑ってイタズラな視線を向ける。


「でも事実だろ?」

「そ、そういう話じゃないもん///」

琴子はぷぅっと頬を膨らまして言う。

「裕樹君が気付いたらどうするのよ!」

「そうだな、ここでする時は後始末もちゃんと気を付けないとな」

「もっ、もうこんな所でしないもん!!」

「そうなの?やっぱり風呂の方が良かったとか?」

「////!!そんな訳ないでしょ!昨日もやだって言ったじゃない!!」

「確かにお前、あれだけで声出し過ぎだったしな」

あっさりとした口調で答えるが、直樹の目は完全に琴子の反応を愉しんでいる。

「ちがっ/// お風呂が響くのよ!で、でも入江君だって、お風呂の中だとなんだか凄くからかってくるじゃない///」

「空間が変わるといろいろ新鮮でね」

「し、新鮮?え、も もしかして入江君マンネリとか思ってたの!!?」

「そーゆー訳じゃないけど。なに、もしそうならたまにはイイって?」

「や、やだ!露天風呂はまだいいけど、家のお風呂はいやっ!!」

「ふ~ん。それってある意味大胆発言だな。いつ誰に見られるか分からないのに」

「い、入江君のエッチ!!」

「はいはい。てゆーかさ、お前さっきから声でけえよ。裕樹に聞こえてもしらねーぞ」

「―― !!」

しれっと言う直樹の言葉に琴子は我に返って口元を押さえ、立ち上がると恐る恐るリビングの扉に近づく。
カチャリとノブを回したその向こう側には―― 誰も居なかった。

「い、居なかったよ、入江君。…良かったぁ、聞かれてなかった」

琴子はホッとしてそう言うと、またその扉をを閉めた。





「ねぇ入江君…。裕樹君、着替えを取りに行っただけにしては遅いよね?」

それから少し時間が経ってもまだリビングにやって来ない裕樹を不思議に思って琴子が口に出す。

「そう言えば遅いな」

「も、もしかして気分が悪くなって部屋で倒れているのかも…。ちょっと私見てくるよ!」


「…いや、それよりも玄関――」

ふと気付いた直樹が言いかけた言葉を遮って、琴子はリビングから飛び出すと二階へ走っていった。

「ったく…」

直樹はドタドタと聞こえる足音に溜息をついた。




「い、入江君。裕樹君がいないよ!」

「だから先に玄関見ろって言おうとしたのに、お前人の話聞かねーから」


戻って来ておろおろする琴子に、直樹は呆れた顔で言う。


「げ、玄関?」

「ほら、来いよ」

立ち上がって玄関へとさっさと歩いて行く直樹に琴子は付いていった。


「あ、裕樹君のローファーが無い」

玄関先に残っている靴は、昨日食事に出掛けた時に履いていた2人の靴のみが残されていた。


「裕樹君、もう学校に行ったのかな」

「そういう事だな」

「だって、ブレザー置きっぱなしだったのに」

「ああ。おれ達の所為だな」

「え?」

「リビングに入るに入れなかったんだろ。ま、あいつ純情だからジャケットいらない位真っ赤になって火照ってそうだけど」

「ってもしかして…。 裕樹君、私たちの話聞いたとか///!?」

「たぶんな」

「た、たぶんってー!入江君、なんでそんな悠長なの!?」

「今更どうしようもないし、弁解しようもないだろ」

「そ、そうだけど///」


初秋とはいえそろそろ朝晩は上着が欲しくなるこの季節。
ブレザーを着ずに学校に向かっているであろう裕樹に申し訳ないと思いながらも、直樹は隣ですっかり顔を赤らめている琴子を見るとつい追い打ちをかけたい衝動に駆られる。


「お袋達の帰りは明日の夜って言ってたよな」

直樹の言葉に琴子は不思議そうに直樹を見上げる。

「う うん。でもなんでいきなりおかあさん達の話なの?」

予想通りの反応を示す琴子に、直樹は満足げに口元を引き上げる。そして琴子の耳元に唇を寄せるとそっと囁いた。


「明日の夕方まで2人っきりだぜ?楽しみだな」

「―― //////!!」

「ほら、もう出掛けないと遅刻するぞ?」


耳元への刺激と今夜も2人きりという事実に、硬直した琴子を見てニヤリと愉しそうに笑った直樹は、さらに追い打ちをかけると彼女の長い髪をスッと指で梳き、さっさとリビングに引き返していった。






『誘惑』の続き…書いてしまいました。
お話を覚えて下さっている方、おられますか…?

途中から裕樹君を放置プレイしてしまいました。それから、会話ばっかりですいません(^_^;)

最後に、アイデア下さったM様、ありがとうございました

※追記※

【 誘惑 】の設定をうっかり忘れていて少し修正しました!
琴子は日勤だったんですよね(>_<)
M様、ありがとうございます…!!
そして皆様に平謝り……orz





22巻スキマ  コメント(3)  △ page top


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::コメントありがとうございます
名無し様
こんにちは。どうもすいませんでした!すっかり出勤の設定を失念しておりました。
私の都合に気持ちを切り替えてくださっていたんですね。ありがとうございます。
コンシーラー・・・慌てて出勤していく琴子を見て、ニヤリと笑ってスルーする直樹を妄想しています(^^;)

繭様
こんにちは。いえいえ、私が忘れていたのが悪いので、どうかお気になさらないで下さい!
拗ねた直樹をお気に召していただいていたなんて、嬉しい限りです^^
修正もこのくらいなら造作もありませんし、辻褄が合ってよかったです。ありがとうございました!!

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::拍手コメントありがとうございます
くーこ様
こんばんは♪
いいですか~?ありがとうございます!(^^)!
妄想しながら書いている時の自分はいつも変態の気分ですが(苦笑)、そんな風に仰っていただけると嬉しくなります(^^♪
入江君…(笑)またこんなお話、そのうち書くと思います。その時も宜しくお願いします~!

りきまる様
こんばんは♪
良かったです~、バッチリ覚えて下さっていて嬉しいです(^^♪
翌日…(笑)。そうですよね、きっと気になるハズですよねっ!
そして、、お風呂ww!!どうなんでしょう?
私もその辺妄想しつつ、今回触れなかったんですが、りきまるさんのコメント読ませて頂いてまたまた気になってきちゃいました!!
ぐったりした琴子を直樹がお姫様だっこで寝室に連れて行ったはずなので、お風呂は翌朝の時点では手つかずのはずです(笑)琴子が仕事に行ってる間に、直樹が綺麗に掃除してくれている事でしょう♪
って、こんな妄想しながら書いている私、やっぱり変態の気がします(^_^;)

繭様
こんばんは♪
そうです!繭様の呟きを読ませて頂いて速攻で妄想が…(笑)
リレー中でしたので、終わったら書くぞ!と思っていました(^^♪ご提供ありがとうございます!!
確かに私の妄想、濃密な時間を過ごした次の日はなんだか必ず琴子が先に目を覚ましていますね(^_^;)ワンパターン…orz… そんな所が初々しいと仰って下さってありがとうございます。
朝からの掃除、挙動不審ですね(笑)裕樹の目にさぞかし怪しく映ったことでしょうw
声は…裕樹も高校生だから少しは似てきてるかな、と。アニメは全く違いますけどね~。裕樹は朴璐美さんでしたもんね。この方、私が傾倒している『鋼の錬金術師』も主人公の声も担当なさっているので、イタキスアニメで裕樹の声聞いた時には異様にテンションがあがりました。ってすいません、関係ない事をここで…!
『露天風呂~』のくだりは、私の妄想で慰安旅行の露天風呂でのイリコトがLOVE2の為に出てきた科白です(苦笑)このスキマ、書く日はやってくるのでしょうか…。
今回の会話、直樹、直接表現は何もしないものの饒舌になっていたのはベッドで目覚めた時に琴子が居なかったからという繭さんの見解に萌えてしまいました(^^♪
そして、この後のお話のご想像もそそられます…!本当にエンドレス!
最後に、誘惑の設定をご指摘頂いてありがとうございましたm(__)m朝コメントを読ませて頂いて、「やってもうた!」と思っちゃいました。出勤前に慌てて辻褄合わせさせて頂きました。

藤夏様
こんばんは♪
そんな、タイトルの時点でガッツポーズを!!ありがとうございます(^^♪
お借りしているお題サイト様のお陰ですね~。抽象的なお題が多いので、わりと自由に妄想出来て助かります。しかし、全く思いつかないものもあるんですよね(苦笑)クリア出来るのはいつになるやら(^_^;)
今回は裕樹いじめの巻でした(笑)本当に、、思春期真っただ中の彼になんて刺激をあたえるのでしょうか、この二人^m^
琴子は無意識ですが(まぁ、それはそれで大いに問題ですが)直樹は確信犯だと思うので、それでも兄を敬愛する裕樹ってなんと可愛い弟なのか…!
終始怪しげに笑う直樹(笑)そうなんです、この話、ず~っと直樹怪しく笑ってるんです!やばいなー、すまない直樹!
琴子の露天風呂発言に藤夏さんもご反応下さって^m^
ほんとに!絶対これをネタに直樹に迫られますよねっ…また妄想が……今現在、私、変態スイッチ入ってます(笑)

chan-BB様
こんばんは♪
はい♪裕樹の災難の巻でした。このパターンも時々書いてしまいますよね^m^
今回は作中では全く何もしていないイリコトですが、皆様の素敵な妄想のフィルターにかかって萌えて頂けたようで良かったです(笑)
そして、ソファの汚れを気にする琴子…。このお話を妄想した時にはじめに思いついたのが『水拭きする琴子』だったんです(笑)新鮮と言って頂けて嬉しいです。
そして…、「直樹に鍛えられた」にぶぶっ!!chan-BBさん宅のお話を思い出してリンクしてしまいました!!
タイトルの拾い方にまでコメントを頂いて、ありがとうございます。まだまだクリアには程遠いですが、妄想全開でいこうと思います!(^^)!

まあち様
こんばんは♪
裕樹君の受難を好物に…(笑)!!もう、まあちさんったら『鬼』!!^m^
兄夫婦に散々翻弄されながらも、まっとうに育つ裕樹君は神ですねっ。
そんな裕樹君が、私も大好物だったりします。ひとつのパターン化の予感ですw
この後の展開、若しくは裕樹君サイドからのお話を、とリクエストして下さる方が結構居て下さって、私としては嬉しい悲鳴です。調子に乗って書くかも…。
その時は、どうぞ宜しくお願いします~♪


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