::噂 1/2
配付元…kara no kiss様
50音・26文字お題よりお借りしています。
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午前9時、2人の寝室にけたたましい目覚ましのベルが鳴り響く。

「・・・おい、早く止めろよ」

「ん・・・なんでこんなに早く鳴るの~」

寝ぼけ眼で琴子は漸くそのスイッチを切った。

「入江く~ん、ほら、もう9時だよ?一緒に起きようか?」

「・・・俺はまだ寝る」

「なんで~、ね、一緒に学校行こ?」
琴子は直樹の肩を揺すってみるが、直樹は布団を頭まで被るとくるりと琴子に背を向けた。

「俺は今日休みだから」
くぐもった声が聞こえてくる。

「うそっ ねー何で?」

「ゼミの教授が昨日まで学会出席してた振替えの休みをとってるんだよ。だから医学部は休講」

「うそ~。ずるーい、それなら私も今日休もうかなぁ…?」

「お前は単位ヤバいんだろ。さっさと行けよ」

「だって、やっぱり今日は学校行くの恥ずかしいんだもん///だ、だって赤ちゃんの事、私の想像妊娠だったなんて////」

「いずれにせよいつかは学校には行くんだから、さっさと済ませてこい」

「うぅ、入江君のイジワル」

「・・・なに、だったら休んでこれからもう一回子供作る努力するか?」

「いっ、いいです///!行きます、行ってきます。入江君ゆっくり休んでね…!!」

さんざん駄々をこねていた琴子だったが、最後の一言で弾かれたように身体を起こすと、バタバタと身支度を済ませ、階下へ降りて行った。
直樹はその様子にクスリと笑うと、学会やら今回の騒動やらで疲れた体を休めるべく、もう一度眠りについた―


* * * * * *


「あ~、こんな事だったら今日学校、休めば良かったよ~」

大きく溜息をつく琴子が居るのは大学の食堂。二限目からあるはずだった講義は、講師の急病で休校になっていた。

「って言っても3限も出なきゃなんなかったし。まぁここでのんびりガールズトークでもしようよ」
理美が学食で買ったパフェを口に運びながらニヤリと笑う。

「そうそう、つもる話もあることだしぃ・・・?」
じんこも理美と目配せをしながらムフフと笑う。

「ど、どうしたの2人とも。なんだか気もち悪い笑い方して」
琴子は慌てて家を出たためにアレンジ出来なかった髪をアップにしようと鏡を出しながらキョトンとした顔をした。

「何って…。そんなの決まってるじゃな~い」

「そうそう、例の話以外に何があるっていうのよ!」

「も、もうっ!その話はやめてよ!その件では私、穴があったら入りたい気分なんだから…!!」
2人が興奮した様子でにじり寄ってくるので琴子は気持ち後ずさりながら、それでも人差し指をたてて(静かに話して!)とジェスチャーする。

「えー、なんで?何が恥ずかしいのよ」
理美は全く声のトーンを押さえる様子も無く髪を耳に掻きあげて琴子をジッとみる。

「だ、だからそれは…。私の想像妊娠で赤ちゃんなんてまったく・・・」
琴子はシュンとしながら答える。

「琴子って赤ちゃん、欲しかったの?」
ハンバーガーにかぶり付きながら聞いてくるじんこの声も、いつもと何ら変わらないトーンだ。

「ううん、まだ学生だし、そんなつもりじゃなかったけど…」
琴子は小さな声で答える。

「なーんだ、それなら何にも問題ないじゃない」

「そうそう」

「えっ なんで!?私、これから皆に可哀想な子を見る目で噂されたらどうしようかと思って……」
2人のあっけらかんとした科白の真意が分からない琴子は、親友たちの顔を交互に見ながら尋ねた。

「いや、寧ろ皆羨望の眼差しよ」

「そうそう、ほんと想像出来ないんだけど、あんたたちってやっぱり夫婦なんだよね~」

「なっ あ、当たり前じゃないっ。仮面夫婦とでも言うの?」

「うーん、そんな意味じゃないんだけど、やっぱりあんたたちのしてるとことかって想像つかないんだもん」

「うんうん」

「あ、あの…私、今日は外のカフェにでも行って来ようかな~///」
だんだんと明け透けなく話を始める2人に琴子は目を白黒させながら席を立ちあがった。

「がっつり親子丼頼んでおいて言うような科白じゃないでしょ。さっ、座りなさいよ」

「うっ!!」

あっという間に琴子は2人の手により座り直らされた。

「だ、だって///そりゃずっと私の片思いだったから理美とじんこの言う事も分かるわよ!?でも…私たちだってする事はするわよ/////」
琴子は小さな声でもじもじと呟く。

「ごめんごめん。いや、勿論そうなんだろうけど相手が何せあの入江君だから、私たちも今まで聞き辛くってさ…。だから、やっとちょっと聞いても良いかなぁなんて思っちゃったわけよ」

じんこが琴子の髪を撫でながら片手を前に出してゴメンのポーズをとる。隣で理美も微笑いながら両手を前で合わせていた。

「そんな、謝らなくてもいいよ///でも別に私たち、多分取り立てて話するような事何もしてないよ…?」

「な~に言ってんの!もう存在だけで十分普通じゃないから、あんたたち。でさ、早速だけど…入江君ってやっぱりうまいの?」

「/////!!!!!」
理美の言葉に琴子は顔をボンっと紅潮させて口をパクパクとさせる。

「そんな!!私が分かる訳ないじゃないっ!!!後にも先にも私は入江君しか知らないんだから~~!!!!」

「「!!シーーー!!!!」」

2人のジェスチャーに琴子は慌てて口を塞いだ。興奮して今までの3人の会話の中で一番大きな声を出してしまっていた。

「いくら人が少ないからって、ここは食堂なんだから。壁に耳あり―、だよ。静かに静かに」
じんこが言う。琴子と理美はうんうんと頷いたが…。

うっかり者の3人は気が付いていなかった。食堂に入って来た時から、既に彼女たちの会話に此処に居る皆が聴き耳を立てていた事を。あの騒動の直後だ、考えてみれば当然である。
そして、このまま小声(のつもり)で続けられた彼女たちの話は瞬く間に噂になって拡がった。そしてそれはやがて、もう一人の当事者である直樹にも伝わることとなる――






会話ばっかりですいません(^_^;)
これも続き物という事でおねがいします。あ、まだ書いてないんですけど(笑)

のんびりお待ち頂けたら嬉しいです^m^







13巻スキマ  コメント(5)  △ page top


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::コメントありがとうございました
>ねーさん様

はじめまして。先日は丁寧なコメントをありがとうございました。
長く活動してますのでそれなりに作品数はあると思うのですが、全てのお話を漏らさず読んで下さったとお聞きしてとてもありがたい気持ちでいっぱいです。
そしてすごく面白いと仰って頂けてとても嬉しいです。ありがとうございます。
さて、原作の妊娠エピがお好きとの事。こちらも楽しんで頂けたようでなによりです。
そして面白い着眼点を教えて下さって(笑)
たしかにそうですね~。わたしもねーさんさんのコメント拝読してそういえばそうだな~と思いました!
ほんと、さりげなく「琴子LOVE」炸裂してますよね。
これは待合室にいた奥様方の話題になったのではないでしょうか。
そしておそらく出かけた産婦人科は近所でしょうから、きっとここでも新たな噂が流れていたに違いないです!ああ、想像しただけで面白い!またいつか書きたいと思います♪
最後に、ねーさんさんはもしかすると創作をされている方ですか?いつかこんな文章を・・・なんて仰って下さって恐縮です。
応援頂きありがとうございました。私なりのイタキスの世界をこれからもマイペースに広げさせて頂きますね。
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::コメントありがとうございます
さくら様

おはようございます。
琴子、可愛いと仰って頂いてありがとうございます。
理美とじんこの取り調べ、期待して頂いたようですが、2/2は予想外の方向へ進んでしまったのではないでしょうか?そこがちょっと不安です。
パスワード設定について記載させて頂いている記事の通り、当ブログの鍵付き記事には原作のイメージを壊しかねない内容が含まれていますのでその辺りご了承願います。
入江くんがタフというコメントに思わずにんまり。確かにタフですよね…(笑)琴子の色気も含めて、いつも覗き見してごめんなさい!って感じです(^_^;)
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::
うふふ 琴子可愛い
里美とじんこの取り調べは 手強そうだしね。
入江君の激しさと タフさは 琴子しか知らないし 琴子の 女の色気も入江君しか知らない(^_^)
けど 読者は知ってる…!
ごめんなさい(^_^)
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::拍手コメントありがとうございます
繭様
こんばんは。遅い時間のUPにいつもコメント下さって本当に嬉しいです。今回は一番乗りだったんですね!おめでとうございます(笑)!!て私が言うの、おかしいですね(^_^;)
あはは、生贄って!!私の中ではただ「眠いのに起こすな!!」って感じだったんですよ(笑)
私がイリコトの友人だったなら…う~ん、想像しただけで罪のように感じそうです(笑)
もう後編もUPしましたので言いますが、やっぱり琴子に下ネタはNGでしょう^m^そして、直樹をからかうようなタフな輩はいないと思いますwwそして私にもベールは脱がせられませんでした(苦笑)
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